参考記事: ドイツ文字(フラクトゥーア)と筆記体

ドイツ語では、ラテン文字を「Antiqua[アンティークヴァ]」、ドイツ文字を「Fraktur[フラクトゥーア]」といいます。フラクトゥーアは、日本では「ドイツ文字」のほかに「亀の甲文字」ともいわれています。
ドイツ文字の大文字の「I」と「J」はもともとまったくおなじ文字ですが、筆記体はちがっています。フォントによっては、「J」のほうがすこしながくなっているものもあります。
ドイツ文字の小文字の「s」はふたつあって、「みじかい s」は音節のおわりだけにつかわれます。それ以外は「ながい s」(ſ)になります。ラテン文字でもふるくはこのふたつの「s」の区別がありました。
ドイツ文字にはいくつか結合文字があります。一般的なものはここにあげた「sz(ſz)」「tz」「ch」「ck」です。大文字はありません。「sz」(エス・ツェット)だけはラテン文字でもつかわれて、「ß」という文字になります。もともとはこのとおり「s(ſ)+z」なのですが、ラテン文字でこの活字がないばあいは、かわりに「ss」をつかいます(スイスでは「ß」をつかわないで、すべて「ss」になります)。
筆記体は、ラテン文字のものも英語式とすこしちがうのですが、ここではドイツ文字の筆記体だけをとりあげています。
大文字の「C」と小文字の「c」の上のカギはあとからつけます。
大文字の「E」のまんなかのカギはあとからかきます。小文字の「e」はタテの棒のあいだを小文字の「n」よりせまくして、中間のつなぎの線は左の棒のまんなかより上からでます。このつなぎの線がないかきかたもあります。
大文字の「F」の上のカギとまんなかのヨコ棒はあとからつけます。小文字の「f」のカギもあとからかきます。
大文字の「H」には3とおりのかきかたがあります。
大文字の「K」の上のカギはあとからつけます。
小文字の「p」にはふたとおりのかきかたがあります。
小文字の「ながい s(ſ)」と「みじかい s」の区別は筆記体にもあります。
大文字の「T」の右肩は、むすび目のかわりに、とがらすこともあります。
小文字の「u」の上の半月形はあとからかきます。
大文字の「X」は2本のタテの線がはなれています。小文字の「x」にはふたとおりのかきかたがあります。
小文字の「ü」は半月形をつけません。
「ß」にはふたとおりのかきかたがあります。ラテン文字のなかでもこの筆記体がつかわれます。
「ch」と「ck」の「c」にはふつうカギをつけません。
ドイツ文字の筆記体には、ほかにジュターリーン書体(Sütterlinschrift[ズュターリーン・シュリフト])という簡略な垂直書体もあります。L. Sütterlin(1865-1917)が考案したもので、ドイツ書体(deutsche Schrift [ドイチェ・シュリフト])ともいいます。1915年に標準書体として採用されて(ラテン文字にもジュターリーン書体があります)、1940年まで学校でおしえられていました。
関連記事
・ドイツ語の外来語文字
[ドイツ語]
