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歌詞が古典ギリシャ語の曲

クラッシックには歌詞がラテン語の曲ならくさるほどある。とくに宗教曲におおいし、そうじゃなくてもさがすのに苦労はない。でもギリシャ語の曲となるとなかなかみつからない。

もちろんギリシャの音楽だったらたくさんあるにきまってる。現代音楽でギリシャの作曲家の作品もあるし、ふるくはビザンチン聖歌だってある。それ以外のいわゆるクラッシックで古典ギリシャ語(古代ギリシャ語)の歌詞っていうと、ふるいものにはとりあえずおもいあたるのがないんだけど(グレゴリオ聖歌のごく一部にギリシャ語の部分があるけど)、現代曲にはあることはある。

まずはカール・オルフ(Carl Orff)。有名な《カルミナ・ブラーナ》は《トリオンフィ(勝利)》3部作の1作目だけど、2作目の《カトゥーリ・カルミナ》の歌詞にはほんのちょこっとギリシャ語がでてくる。それから、3作目の《アプロディーテーの勝利》にはある程度まとまったギリシャ語の歌詞があって、サッポーの詩なんかをつかってる。CDは国内版で「トリオンフィ(全曲)/ヴァーツラフ・スメターチェク指揮、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団、プラハ交響楽団」(COCO-75214/15)と「カトゥーリ・カルミナ、アフロディテの勝利/フランツ・ウェルザー=メスト指揮、ミュンヘン放送管弦楽団」(TOCE-8783)っていうのがある。

それからおんなじオルフのオペラ《プロメーテウス》はアイスキュロスの『しばられたプロメーテウス』の原文にそのまんま曲をつけた作品で、輸入盤で2組ある。「Prometheus/Rafael Kubelik: Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks」(ORFEO C 526 992 I)と「Prometheus/Ferdinand Leitner: Das Kölner Rundfunk-Sinfonie-Orchester」(ARTS 43007-2)だけど、Leitner のほうは、もともと ACANTA ってレーベルからでてたもののリマスター。

このオペラの歌詞がみたければ、『しばられたプロメーテウス』の原文をみればいい。いくつかのサイトでみられる。「ESCHYLE, Prométhée enchaîné (HODOI du texte à l'hypertexte)」はそのまんま原文が表示される。「Ancient Greek Texts (The Little Sailing)」は、このページの「Aeschylus, Prometheus Bound」のとこから zip ファイル(promitheus.zip)をダウンロードする(ワード文書になってる)。「Aeschylus, Prometheus Bound (Perseus)」は、いっぺんに原文全部が表示されるわけじゃなくて、ページをめくってく感じになるんだけど、単語をクリックすると変化形がわかったり辞書がひけたりする(英語だけど)。
日本語訳は、『ギリシア悲劇 I アイスキュロス』(ちくま文庫)、『アイスキュロス 縛られたプロメーテウス』(岩波文庫)、『ギリシア悲劇全集 2 アイスキュロス II』(岩波書店)、『筑摩世界古典文学全集 8 アイスキュロス、ソポクレス 全作品』(筑摩書房)とかがある。

古楽の研究家、演奏家として有名なルネ・クレマンシック(René Clemencic)の《ヨハネの黙示録》っていうのもある。新約聖書の黙示録の原文に曲をつけたオラトリオで、輸入盤の「Apokalypsis/René Clemencic: Clemencic Consort」(ARTE NOVA 74321 72115 2)がある。

あと、イギリスの作曲家ジョン・タブナー(John Tavener)がサッポーの詩に曲をつけた《サッポー:叙情詩の断章》(Sappho: Lyrical Fragments)っていうのもある。輸入盤の「Eternity's Sunrise/Paul Goodwin: The Choir and Orchestra of the Academy of Ancient Music」(HMU 907231)にはいってるんだけど、「永遠の曙」っていうタイトルで国内版(KKCC-428)もでたことがある。この曲は現代ギリシャ語の発音でうたわれるって作曲家自身が解説書にかいてる。

…あっ、だいじなものをわすれるとこだった。古代の楽譜の断片を再現した録音があったんだ。国内版だと「古代ギリシャの音楽/グレゴリオ・パニアグワ指揮、アトリウム・ムジケー古楽合奏団」(KKCC-9201)(ANF-2009)がある。輸入盤なら、「Music of Ancient Greece/Christodoulos Halaris」(Orata ORANGM 2013)と「Musiques de l'Antiquité Grecque/Annie Bélis: Ensemble Kérilos」(K617069)がある(ムーサによびかける歌」「セイキロスの墓碑銘」)。

以上のものは、いま現在もでてるか全部確認したわけじゃないから、廃盤のもあるかもしれない。

クラッシック:クラシック。 アプロディーテー:アフロディーテー、アプロディテ、アフロディテ。 サッポー:サッフォー。 プロメーテウス:プロメテウス。 タブナー:タヴナー。

関連記事
 ・「MELPOMEN ~古代ギリシャの音楽」
 ・ムーサによびかける歌
 ・セイキロスの墓碑銘

2004.12.10 kakikomi; 2010.12.28 kakitasi

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コメント

はじめまして。weblogikosのxasimotoです。
トラックバック、ありがとうございました。ブログへのリンクもいただき恐縮です。Music of Ancient Greece/Christodoulos Halarisは、ギリシャで比較的簡単に手に入るようです。かくいうわたしは、ギリシャ在住の友人にお願いして購入してもらったところです。届くのが楽しみです。

投稿: xasimoto | 2005.04.30 21:44

コメント、ありがとうございます。
Halaris のは、なるほどギリシャでは手にはいりますよね。こちらはけっこうまえに Audio-Forum (http://www.audioforum.com/) という、外国語の教材をあつかっているところから手にいれました。どうも、いまはもうあつかってないようですけど。

投稿: ゆみや | 2005.05.01 02:36

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