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ヤ行とワ行について

いまの日本語の五十音図をみると、たいていヤ行とワ行がおかしい。っていうのは、ヤ行は「やよ」、ワ行は「わ○○○を」っていうふうにあいだがぬけてるからだ。ほんとはほかの行とおんなじように全部そろってなきゃいけない。それにワ行の「を」だって問題だ。

まずは「を」からいくと、そもそも五十「音」図なんだから、いまの日本語にない[wo]なんていう音をいれてるのはおかしい。こまかくいうと、[wo]がないわけじゃなくて、そういう音がでてくることもあるにはあるけど、ことばの意味を区別する音として[o]とちがうものとして発音してるわけじゃない(外来語はべつとして)。それに、かなとしても、「を」は助詞だけにつかう文字としてのこってるだけで、[wo]って音をあらわしてるわけじゃない。それは、外来語の[wo]を「ヲ」じゃなくて「ウォ」ってかいてることからもわかる。つまり、「を」をワ行にいれるのは、いまのワ行に[wo]って音がないことと、「を」が[wo]をあらわしてないってことの、ふたつの点でヘンだ。

つぎに、あいだがぬけてるってことだけど、これは動詞の五段活用をかんがえてみればいい。たとえばカ行五段活用なら、「かない」「か」「か」「か」「かう」っていうふうに、カ行が全部でてくる。おんなじようにワ行五段活用をみてみると、「かない」「か」「か」「か」「かう」になって、これからして、ワ行は「わいうえお」だってことがわかる。もちろん「を」はでてこない。

ヤ行については、ヤ行五段活用っていうのがないから、べつのやりかたとして、いわゆる他動詞と自動詞をくらべてみることにする。他動詞と自動詞っていうヨーロッパ語の分類は日本語にそのまんまあてはまるわけじゃないけど、とりあえずこの用語をつかうとして、たとえばこんなのがある。「とす」「とる」、「さす」「さる」、「もす」「もる」。こういうふうに、おんなじ行のア段とエ段がでてくる。これをヤ行のばあいでみてみると、「はす」「はる」、「ふす」「ふる」、「もす」「もる」ってなるから、ヤ行のエ段は「え」だってことがわかる。残念なことに、他動詞と自動詞のちがいでヤ行のイ段がでてくるものはないみたいだから、イ段についてはこのやりかたでもわかんないけど、エ段を手がかりにして、ヤ行も「やいゆえよ」だっていえるとおもう。

2005.01.18 kakikomi

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