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《ジーザス・クライスト=スーパースター》

《ジーザス・クライスト=スーパースター》っていうロック・オペラ(ミュージカル?)があるけど、この曲は録音がたくさんでてるからいろいろききくらべができる。そのなかで、いちばん最初にでたアルバムと、1996年のアルバム、それに映画2本、この4種類をききくらべてみた(演奏のちがいについてはここではふれない)。

全部すこしずつアレンジがちがってたり、歌詞のちがいもある。それほどこまかくはくらべてないけど、最初のアルバムと1973年の映画の歌詞はとりあえずおんなじだろう。映画のほうは2曲おおくなってるけど、そのうちの1曲「はっきりさせよう(Then We Are Decided)」は、そのあとの1996年版にも2000年の映画にもない。1996年版と2000年の映画は基本的にはおんなじだ。

曲としても、最初のアルバムと1973年の映画、それから1996年版と2000年の映画が、それぞれだいたいおんなじで、あたらしいほうのはなん曲かおわりかたがちがってた。フェード・アウトしてたのが、最後の歌詞をくりかえして、いかにも舞台っぽくもりあがっておわるようにかわってる。ただ、それがなん曲かあるからちょっとしつこい感じがした。っていっても、最初っからこのかたちのほうをきいてたら、特別そういう印象はうけなかったかもしれない。

歌詞はかなりかえてるとこもあるんだけど、ちょっとしたちがいでおもしろいのがあった。もともと「See my tongue, I can hardly talk」(わたしの舌をみてください、わたしはほとんど口がきけないのです[解説書の対訳をすこしかえた。以下おなじ])だったのが、1996年版だと「See his tongue, he can hardly talk」にかわってる。本人がこんなこというのはおかしいとおもって my と I を his と he にかえたんだろうけど、これが2000年の映画だとまた最初のにもどってる。やっぱりもともとのままのほうがいいってことになったのかな。

それから、歌詞に関してまえから気になってたことがある。「ゲツセマネの園」のとこで、「God, thy will is hard」(神よ、あなた〔なんじ〕の意志はかたい)っていう歌詞があって、全体はべつにむかしふうのことばじゃないのに、ここだけ thy (なんじの)なんていってるから、神に対してはやっぱりそうなっちゃうのかな、なんておもってたけど、前後をみると、神にむかって you とか your っていってるから、そういうわけでもなさそうだ。で、ふとおもったのが、ふるめの聖書の英語訳。『マタイによる福音書』の「主の祈り」と、それからゲツセマネの場面で、「Thy will be done」(〔あなたの〕御心が行われますように[新共同訳])っていうのがでてくる。有名な欽定訳はもちろんだけど、そのあとの翻訳でも thy になってるのがおおい。この文句の影響でここだけ「Thy will」になっちゃったんじゃないかな。なっちゃったっていうより、わざっとそうしたのかもしれないけど(「主の祈り」(4) 英語」)。

関連記事
 ・「主の祈り」(4) 英語

2005.03.30 kakikomi; 2011.07.27 kakinaosi

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