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「属格」という文法用語

格変化の順序」のコメントで属格のはなしがでてきたから、それについてちょっとかくことにする。

属格って用語は英語でいえば genitive で、ラテン語の genitivus/genetivus [ゲニティーウス/ゲネティーウス]」からきてる。でもって、このラテン語の文法用語は例によってギリシャ語の翻訳で、ギリシャ語だと γενικήɡenikɛ̌ː ゲニケー]っていった。でも、このラテン語訳には問題があるらしい。

ギリシャ語の「ゲニケー」(種族〔種属〕の)は γένοςɡénos ゲノス](種族〔種属〕、うまれ)からできた形容詞で、これをラテン語で genitivus (うまれの)って訳したわけだけど、このラテン語じたい、ギリシャ語の γένος に対応してる genus [ゲヌス]からきてる。でも、これはまちがった翻訳だっていわれてる。genus の形容詞にはもうひとつ generalis [ゲネラーリス](種族〔種属〕の)っていうのがあって、このほうがよかったってはなしだ。じっさい、この単語をつかってる古代ローマの文法家もいる。generalis なら、もとのギリシャ語どおり「種族〔種属〕の」ってことになるけど、genitivus だと「うまれつきの、出生の」ってことになっちゃう。

おもしろいことに、ロシア語文法だと属格のことを「生格」っていってるけど、これはラテン語訳がもとになってるのかな。

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2005.05.01 kakikomi; 2009.05.07 kakinaosi

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コメント

なるほど。私のgene→generalの連想はちょっと安易でしたね。むしろgeneralという言葉の源流を辿るべきでした。今回も勉強になりました。有難うございます!

投稿: BuSuKu | 2005.05.03 11:32

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