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気音がある日本語、ないロマンス語

ロマンス語(ラテン語の子孫)に属してるイタリア語とかスペイン語の発音をきいてると、無声閉鎖音[p, t, k]が有声音[b, d, g]みたいにきこえることがある。母音にはさまれた無声子音が有声音になるっていうのはありそうなことだけど、朝鮮語とちがって閉鎖音の有声と無声のちがいがちゃんとあるんだから、こんなことでいいのかなってひとごとながらおもっちゃう。

日本語のばあい、たぶんこういうことはないとおもう。イタリア語・スペイン語・フランス語なんかの無声の閉鎖音は気音(h の音)がないけど、日本語のほうはそんなにつよくはないにしても気音がはいってることがおおい。つまりカ行・タ行・パ行の子音は[kʰ][tʰ][pʰ]みたいになってるわけだ(とくに単語のあたまだとけっこうはっきりしてる)。だから、母音にはさまれても有声音になりにくい(もっとも有声音つまり濁音のばあいでも、つよく発音したりしたとき一種の気音がはいることもなくはないけど)。

で、こんなふうに無声閉鎖音が有声音にきこえるなんてことがあったもんだから、なるほどイタリア語・スペイン語の閉鎖音には気音がないんだなってあらためておもった。そうじゃなくても、よくきいてると、気音がない閉鎖音の独特の感じはわかるし、それになれると、逆に日本語の気音のまじった発音が目だってきこえてくる。

ついでにいうと、日本語のばあい、母音にはさまれた子音が有声音になるっていうのとは逆みたいなことがおこる。それは、無声子音にはさまれた母音が「無声化」するってことだ(関西じゃ無声化はすくない)。たとえば「ひとり(hitori)」の「ひ」の母音 /i/ は無声音 /h/ と /t/ にはさまれてるから、声をともなわない息だけの音になる。この /i/ を無声化しないで発音すると関西ふうの発音になる。「ネクタイ(nekutai)」の「ク」の母音 /u/ も無声音 /k/ と /t/ のあいだにあるから無声化する。これも無声化しないで発音すると関西ふうになる。

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2005.06.24 kakikomi

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