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『「魔術」は英語の家庭教師』

「35歳から英語勉強して良いかな?」っていうブログの「英語で占いを・・・」って記事に、

占いと英語を同時に楽しめたら、一石二鳥かな(英語の勉強になり、なおかつ自分の運勢もわかる)と思い考えてみました。
まっさきに思いついたのは、海外の星占いのHPにアクセスするということです。

ってかいてあるのをみて、ある本をおもいだした。

ヨーロッパの伝統的なオカルティズムっていうと、星うらないと魔術と錬金術で、この3つはいろいろ関連があるんだけど、星うらないを英語の教材にするっていうんなら、魔術だってありだろう。長尾豊[ながお ゆたか]著『「魔術」は英語の家庭教師』(はまの出版)って本は、そんな感じの内容で、著者は大学の英語講師。魔術結社の会員でもある。べつに、この本をすすめたいわけでも、実行したわけでもなくて、ただこういう毛いろのかわった英語の本もあったってことをいいたいだけだけど…。

とりあえず、もくじをかきだしてみると、

1 英語と魔術のおもしろくておかしな関係
2 英語感覚は魔術によって磨かれる
3 英単語は魔術を使えば簡単に覚えられる
4 魔法使いになるとできる英語アタックの技術
5 英国感覚を身につけることも大事
6 魔術書を読めば英語は万全
7 試験に役立ち魔術にも出てくる英単語
付録(1) O∴H∴TAROT METHOD
付録(2) 英文手紙の書き方
付録(3) The Tattwa Graphics

著者は、高校のとき魔術に興味をもって、英語の魔術書をよむようになった。それから英文科にすすんで、英語講師になって、とうとうイギリスの魔術結社の会員にもなったってことだけど、なるほど、近代の儀式魔術〔典礼魔法〕の本場はイギリスだから、英文科でイギリスっていうのはよくわかる。

この本がめざしてる英語のレベルは、

◎読みの力
 ・The Times の一面を斜め読みして大意をつかめる
 ・家電製品の英語マニュアルを読んで、間違いなく操作できる
 ・今世紀に書かれた魔術書を読みこなせる

◎書く力
 ・英国の書店に手紙を出して、欲しい本を購入する
 ・自分の意見をまとめて雑誌に投稿する

◎聞く力
 ・BBC のニュースをほぼ理解できる
 ・映画を楽しめる

◎話す力
 ・小声でボソボソとしゃべって、通用する

これは、イギリスの中流中層出身で、大学入学資格試験のAレベル(Advance Level)をふたつ3つ取得してる高校生程度の英語力ってことになるらしい。ちなみに、ここでいってる「今世紀に書かれた」っていうのは、20世紀のこと。

この本にかいてある洋書のかいかたっていうのは、もうふるいっていうか、いまはネットでかえるから、そのへんはこの本がでたころとはずいぶんちがってるけど、ほかのやりかたはいまでもわるくないかも。

ヒアリングの練習に、ひたすらひとつの映画にのめりこんで、このひとのばあいは「スター・ウォーズ」をなん度もみて、それも、家でビデオをみるっていうのはなにかとジャマがはいるからよくないってことで、映画館でみろっていうんだけど、1日に1回以上、1か月に30回以上みるんだって。とくに土・日は1日中みてろなんていってる。で、みおわったら、家で、おぼえてるセリフをものまねしながらいってみる。このひとは、ダース・ベイダーのセリフをおぼえて、いまでいえばコスプレをしながら、練習したんだって。

でも、これはとくに魔術って感じのもんでもない。魔術っぽいのは、ひとつは、自分用の「魔物」を「捕獲・飼育・調教」して、この「魔物」をとおして英語をおぼえるってとこだ。それから、単語をおぼえるのに魔術の象徴体系をつかう。ここにでてくるのはカバラーの「生命の樹」で、まずはこの「生命の樹」に対応してる7惑星とタロット・カードの大アルカナをつかって、名詞は7惑星に、動詞はタロットに分類しておぼえる。それから、形容詞と副詞は黄道十二宮に分類しておぼえる。まあ、よくある記憶術みたいな感じだけど、この手の記憶術っていうのは、もともとオカルティズムの象徴体系と関係あって、こういう記憶術をつかったひとは、むかしは異端として罪にとわれたこともあった。

星うらない:占星術。

2005.08.19 kakikomi; 2009.03.28 kakikae

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