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「セロ」ってなに語の名まえ?

セロっていうマジシャンがいるけど、最初この名まえをみたとき、なに語の名まえだかわかんなかった。ロマンス語の名まえなのかともおもったけど。ところが、名まえのつづりをみたら Cyril で、英語だった。

アメリカうまれで、父親が日本人、母親がフランス人らしいんだけど、だったらこの名まえはフランス語?なんて一瞬おもったりもしたけど、フランス語ならつづりは Cyrille だから、やっぱり英語だよな。

で、Cyril だったら、いまふうのカタカナがきなら「シリル」になるだろう。でも、実際の発音はたしかに「セロ」にちかい。いまはつづりをよんでカタカナがきしてることがおおいけど、むかしだったら、きこえたとおりにかいてることがよくあった。Hepburn が「ヘップバーン」じゃなくて「ヘボン」になったのなんかがそうだ。

でも、なんでいま「セロ」なんだろ(べつにわるくはないけど)。本人は日本語もしゃべれるし、日本語の名まえとして自分でこういうふうに名のってるのかもな。

Cyril でちょっとおもいだしたけど、nickel なんてことばもおんなじようなことになる。日本語で「ニッケル」っていってるけど、実際の発音にちかくかけば「ネコ」か「ネコー」になるだろう。Cyril だって「セロー」っていうのもありえる。

ドイツ語だとかイタリア語だとかはカタカナ発音でもけっこう通じるなんていわれてる。でも、英語はそういうわけにはいかない。そのへんのことをかんがえると、ドイツ語とかイタリア語の名まえならつづりをよんでカタカナがきしてもいいけど、英語のばあいは実際の発音にもとづいたほうがいいのかもしれない。

ところで、Cyril って名まえは、y が途中にはいってることからわかるけど、もとはギリシャ語の名まえだ。むかしのギリシャ語で Κύριλλος [ky̌ːrillos キューリッロス]っていうけど(現代語なら[キーリロス])、この名まえは、兄の Μεθόδιος [metʰódios メトディオス](現代語なら[メソーズィオス])といっしょにスラブ人にキリスト教をつたえた聖人の名まえとして有名で、ロシア語とかでつかわれてるキリール文字の「キリール」っていうのもこの名まえがもとになってる。ただし、この聖人がつくったのはほんとはキリール文字じゃなくてグラゴール文字のほうだったらしい。古代教会スラブ語の写本はグラゴール文字のものとキリール文字のものがあって、いまの研究でグラゴール文字のほうがふるいってことになってる。

キューリッロス:キューリロス、キュリッロス、キュリロス、キリロス。 スラブ人:スラヴ人。 キリール文字:キリル文字。 グラゴール文字:グラゴル文字。

2006.01.12 kakikomi; 2011.04.23 kakinaosi

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