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ホメーロスの24巻、アリストテレースの14巻

ホメーロスの『イーリアス』と『オデュッセイア』はどっちも24巻あるんだけど、それぞれの巻をあらわすのに数字じゃなくてギリシャ文字をつかう習慣がある。ギリシャ文字は24文字だから数としてもちょうどいい。さらに、大文字と小文字があるから、『イーリアス』のほうを大文字、『オデュッセイア』のほうを小文字であらわすことになってる。そうすると、アルファベットだけでどっちの作品のなん巻なのかがわかる。大文字のデルタ(Δ)なら『イーリアス』の第4巻、小文字のデルタ(δ)なら『オデュッセイア』の第4巻、っていうふうに。

これは一見アルファベット式のギリシャ数字をつかってるようにもおもえるけど(アルファベット式ギリシャ数字」)、よくみるとそうじゃないのがわかる。第5巻まではギリシャ数字としてかんがえてもおかしくない。でも、第6巻からちがってくる。第6巻は Ζζ だけど、ギリシャ数字だとこれは7だ。ギリシャ数字の6はふつうのアルファベットとしてはつかわれなくなった文字がつかわれてる。だから、ここからひとつ数字がずれることになる。それから Ι ι からはギリシャ数字なら2ケタの数になって、Ι ι は10、Κ κ は20、Λ λ は30ってことになるけど、ホメーロスのばあいはアルファベットを順番にあててるだけだから、Ι ι は第9巻、Κ κ は第10巻、Λ λ は第11巻っていうふうに、もっとはっきりちがいがでてくる。さらに、ギリシャ数字の Ρ ρ からは3ケタの数になって、Ρ ρ は100、Σ σ は200、Τ τ は300だけど、ホメーロスだと Ρ ρ は第17巻、Σ σ は第18巻、Τ τ は第19巻ってことになる。

アリストテレースの『形而上学』全14巻もアルファベットになってる。ただし第2巻はみじかくて、独立した1巻としてはあつかわれないこともあるぐらいで、ほかの巻とちがってこれだけは小文字がつかわれる。つまり全部で Α α Β Γ Δ Ε Ζ Η Θ Ι Κ Λ Μ Ν の14巻ってことになる。第1巻とか第2巻っていいかえることもあるけど、とくに『形而上学』のばあいはアルファベットでいうことがおおいらしい。その理由のひとつとして、これを第1巻とか第2巻とかっていっちゃうと、α の巻のあつかいによって、たとえば Β が第2巻になったり第3巻になったりする、っていうのがあるんだろう。

ホメーロス:ホメロス。 イーリアス:イリアス。 アリストテレース:アリストテレス。

関連記事
 ・アルファベット式ギリシャ数字
 ・ホメーロス『イーリアス』のうたいだし
 ・「トリビアの泉」アリストテレースのことば

2006.03.16 kakikomi; 2009.03.28 kakikae

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コメント

初めまして油屋甚平です。ギリシャ捜しのカメラ小僧です。よれしければこのプログ油屋カフェニオンにリンクさせてください!!是非!めっちゃために成ります!!よろしくです!
yahooblog
「camera/カメラ55」
http://blogs.yahoo.co.jp/angiras55

投稿: 油屋甚平 | 2006.03.24 12:11

はじめまして。
ブックマークしてくださってありがとうござます。
こちらもブログ・リンクにくわえておきました。
ネコの写真、いいですねえ。

ところで、「油屋カフェニオン」のブックマークでは
こちらのURLが
http://appcocolog-nifty.com/phonetika/
になってるんですけど、これはちょっとちがってます。
ただしくは
http://toxa.cocolog-nifty.com/phonetika/
です。
それから、タイトルは現代語ではないので、
「TA META TA PHONETIKA」
のほうがいいんですけど、まあこれは、
現代語にしたしんでいるばあいは当然
「Η」は「イ」とよむでしょうから……。

投稿: yumiya | 2006.03.24 18:32

コメント&リンクありがとうございます。
訂正の件即刻なおしました!!
古代ギリシャ語って宇宙みたいですね!
ギリシャに住んでからですが友人のイタロス別名イタ公(この人は古代ギリシャ語しかはなさなくて友人のギリシャ人となんともいえん現代過去未来ぐっちゃくちゃの会話をしてはりました。)にほいっとでっかいリボン付きでギリシャ語はやくマスターしなさいと貰った本が古代ギリシャ語の基礎という本でした。日本語まで現代と古代をまちがってるんかな〜と今も持っていますがこれを機に見てみます。

投稿: 油屋甚平 | 2006.03.25 04:09

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