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曜日の由来(7) 木曜日

日本語の木曜日は「木星の日」ってことだけど、英語の Thursday は木星との関連がわかりにくい。この英語は「トール(Thor)の日」ってことで、トールっていうのはゲルマン人の雷・雨・農業の神だ。この名まえそのものは「雷」って意味で、英語の thunder にあたる。Thor's day が Thursday になったとか、Thunder's day がちぢまって Thursday になったっていったら正確な説明じゃないんだけど、意味としてはそういう感じになる。

木曜日つまり「木星の日」はラテン語で Jovis dies [ヨウィス ディエース]で(逆の語順もある)、Jupiter [ユーピテル](この属格が Jovis)は木星のことだけど、もともとはローマの最高神の名まえだ(英語で「ジューピター」。ギリシャのゼウス)。ユーピテルは空の神で、雷・嵐・雨っていう気象の神でもあった。だから、ラテン語の「木星(ユーピテル)の日」は英語で「トールの日」って訳してとりいれられた。ただし、ラテン語は「ユーピテル(神)の日」じゃなくて「木星の日」なんだけど、英語は「木星の日」じゃなくて「トール(神)の日」になってる。

ドイツ語の Donnerstag [ドナースターク]も英語とおんなじことで、ラテン語の Jovis dies を訳したものだ。Donner は英語の thunder で、ワーグナーの《ラインの黄金》には雷の神「ドンナー」がでてくる。Donnerstag は「ドンナーの日」っていう意味だ。

英語、ドイツ語とちがって、イタリア語の giovedì [ジョヴェディ]、フランス語の jeudi [ジュディ]は、ラテン語の Jovis dies がそのまんま変化したものだから、こっちのほうは「木星の日」っていいかたがのこってる。

エスペラント語は基本的にロマンス語みたいなもんだから、ロマンス語とほとんどかわんない単語がおおいんだけど、木曜日は ĵaŭdo [ジャウド]だからちょっとちがうか。ほかの曜日からかんがえれば、ĵaŭd- って語根もフランス語からとったんだとおもうけど、発音もつづりもちがってる。これにエスペラント語の名詞語尾 -o をつけて ĵaŭdo になる。

現代ギリシャ語の木曜日は Πέμπτη [ペンプティ]で、これは「5日目」って意味だ。もともと序数で、英語でいえば Fifth (day) ってことになる。「日」って意味の (η)μέρα [(イ)メーラ]が略されてる。「5日目」っていうのは、要するに週の5番目の日ってことだけど、かぞえかたとしてはふたつかんがえられる。そのことについては「曜日の由来(2) 土曜日と安息日」と「曜日の由来(4) 月曜日」参照。

ユーピテル:ユピテル。 ジューピター:ジュピター。 ワーグナー:ヴァーグナー。

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2006.07.30 kakikomi; 2016.03.31 kakinaosi

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