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めい王星は「矮惑星」

チェコのプラハでひらかれてた国際天文学連合(IAU = International Astronomical Union)の総会で、2006年8月24日、惑星のあたらしい定義を採決して、めい王星は惑星じゃなくなった。で、「矮[わい]惑星」ってことになっただけど、またこんな「矮」なんて漢字をつかって…。

「矮」は天文学の用語としては「矮星」なんていうのがある。英語でいうと dwarf star で、dwarf っていうのは、神話・伝説にでてくるこびとのことだ。それから、「白色矮星」(white dwarf)なんていうのもある。だから dwarf planet を訳すと「矮惑星」ってことになるんだろう。ただし、これはまだ正式な日本語訳じゃないらしいから、「矮」なんてものをつかわない翻訳語になればいいんだけど。

この決定で、教科書なんかはかきかえなきゃなんなくなるみたいだけど、もともとも太陽系には小惑星だってあるし、そのなかには惑星の候補になったケレス(セレス)みたいなおおきくてまるいのもあるわけで、だから、めい王星も、小惑星みたいなあつかいでべつにいいんじゃないかな。いまじゃ海王星の外側に千個以上の星がみつかってて、エッジワース・カイパーベルト天体(Edgeworth-Kuiper Belt Objects、略して EKBO、日本では「エクボ」ってよんでたりする)なんていってるけど、めい王星もそのひとつってことらしい。

いままでの惑星の順番をおぼえるのに、「水金地火木土天海めい」っていうのがある。このよみかたはとりあえず「すいきんちかもくどてんかいめい」と「すいきんちかもくどってんかいめい」のふたとおりきいたことがあるけど、自分じゃ「どてんかいめい」のほうでおぼえてる。「土」は「ど」で「どつ」じゃないのに「どってん」」になるのはなんでだろ。どっちにしても七五調の基本になってる4拍子にのってることにはかわりないから七五調の文句みたいにいいやすい。

「どってん」になる理由としては、「土」のとこに1拍のものがつづいてないってことがあるかもれしない。「すい・きん・ち・か・もく」のとこは「ち」と「か」がそれぞれ1拍だけど、ふたつ つづいてるからあわせて2拍になる。でも「ど・てん・かい・めい」のほうは1拍なのは「ど」だけだから、2拍ずつのリズムにあわせるために「土」も2拍にしたくて「どっ」ってことになったんじゃないのかな。

で、めい王星が惑星じゃなくなったから、おぼえかたとしてはめい王星をなくして「水金地火木土天海」になるんだろう。途中がぬけるわけじゃないし、とくに問題もおこらない。それに、「どてんかい」で5拍で、全体として8・5になって、七五調の文句とおんなじように、これはこれで調子がいい。このばあいは「どってんかい」じゃ6拍だから中途半端な感じになる。

ところが英語のほうはちょっと問題があるらしい。英語のおぼえかたは、惑星の名まえのかしら文字をとって、そのかしら文字ではじまる単語で文章をつくってる。いままでの惑星の英語の名まえを順番にあげると、

Mercury, Venus, Earth, Mars, Jupiter, Saturn, Uranus, Neptune, Pluto

になるけど、このかしら文字をつかった文章がいくつかある。

My Very Educated [Excellent] Mother Just Served [Sent] Us Nine Pizzas.

My Very Easy Method Just Simplifies Us Naming Planets.

Mooing Very Eagerly, Mary Jogged South Under Nine Planets.

ほかにもたくさんあるみたいだけど、それはともかく、最後のは Mary がウシじゃないってとこがおもしろいらしくて、女の子がモーモーいいながらあるいてる(はしってる)わけだ。で、どの文章でも、最後の P ではじまることばだけとるわけにはいかない。それにごていねいに Nine まではいってたりする(めい王星をふくめると惑星は9つ)。ただ、まあ、最初のなんかは Nine Pizzas をやめて、Noodles とでもすりゃいいんじゃないのかな。ニュースをみてたら、Nothing っていってたアメリカ人がいたけど、それもうまいかも。

めい王星が惑星じゃなくなった影響はほかにもあるだろうけど、星うらないなんかはどうなのかな。いろんな流派があるから、それによってもちがうだろうけど、いまの星うらないのばあいもともと小惑星なんかもつかってるのがあるから、めい王星が「矮惑星」になったからって、小惑星とおんなじようなもんで、そのまんまつかいつづけることになるんだろう。だから、とくべつ影響ってものはないようにもおもうけど。

そういえば、最近でたホルストの《惑星》のCDで、「めい王星つき」っていうのがあったっけ。この曲の非公開の初演は1918年のことで、めい王星が発見されたのが1930年だから、もともと「めい王星」がない。で、このCDは、サイモン・ラトル指揮、ベルリン・フィルの演奏で、コリン・マシューズ作曲の「めい王星」と、宇宙をテーマにした依嘱作4曲がついてる(TOCE-55855~6)。ことしの3月のライブ録音だから、まだめい王星が惑星じゃなくなるなんてことはかんがえてなかったんだろうな。もっとも、めい王星を惑星からはずそうっていうのはまえからあったはなしだけど。

[つけたし]
その後 dwarf planet の翻訳語は「準惑星」ってことになったらしい。

めい王星:冥王星。 星うらない:星占い、占星術。

関連記事
 ・アメリカの「ことしのことば」に「めい王星」
 ・西洋の惑星の名まえ
 ・黄道帯は獣帯

2006.08.25 kakikomi; 2009.03.06 kakitasi

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