雑誌「Yogini」
本屋で「Yogini」っていう雑誌をみかけた。サブタイトルは「ヨガでシンプル・ビューティ・ライフ」。でもって、タイトルの上には「ヨギーニとは英語でヨガをする女性のこと」なんてかいてある。
yogini っていうのはサンスクリット語の योगिनी yoginī [ヨーギニー]で「女のヨーガ行者」のことだ。だから「ヨギーニとは英語で」っていうのがちょっとひっかかった。「ヨギーニ」? これって英語?
で、英語の辞書で yogini をひいてみたら、ちゃんとでてた。最初につかわれたのは1883年。しっかり英語になってたんだな。ただし発音は[(UK) ˈjəʊgɪni, (US) ˈjoʊgəni ヨウギニ(ー)]、つまりもともとの[ヨーギニー]にちかい。なのに、この雑誌だと「ヨギーニ」になっちゃってる。
これとにたようなことがほかにもある。仏教の「空[くう]」「空性[くうしょう]」をサンスクリット語で शून्यता śūnyatā [シューンニャター]っていうけど、これが英語にはいって Sunyata になってる。発音は[ˈʃuːnjətɑː シューニャター]だ。ところが、精神世界関係の翻訳本で、これを「シュニヤータ」なんてかいてるのがある。
どっちも、辞書にでてる英語の発音とちがって、うしろから2番めの音節の母音をながくよんでる。tsunami を英語で[tsʊˈnɑːmi ツナーミ]って発音してるみたいに、外来語のうしろから2番めの音節にアクセントをおいて母音をのばす発音をすることがおおいから、英語としては「ヨギーニ」とか「シュニヤータ」なんていってるのかともおもったけど、辞書をみるかぎり、そうはなってない。っていっても、ちょっと特殊な単語だから、辞書にのってるような発音はあんまりしられてなくて、この手の発音が実際につかわれてるのかもしれない。それとも翻訳した日本人がまちがってそうよんでるだけ?
それにしても、英語としての発音がどういうもんであるにしても、yogini とか Sunyata とかが英語のなかにでてきたら、もともと英語の単語じゃないんだから、訳すときは英語としてよまなくてもいいとおもうんだけどな。
精神世界関係の翻訳本は、英語からの翻訳にかたよってて、どうも英語だけで完結してて、なんでもかんでも英語でかたづけちゃってるのがおおい。翻訳するとき、もとのことばの発音がどうなのかしらべないもんなのかなあ。ただ英語からの翻訳にかたよってるのは、どの分野でもおんなじか…。
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2006.10.25 kakikomi; 2011.08.09 kakinaosi
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