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光文社ペーパーバックス(Kobunsha Paperbacks)

「光文社ペーパーバックス」っていうのがあって、本の最初のほうにこのシリーズの特徴が4つかいてある。「1. ジャケットと帯がありません」「2. 本文の紙はできる限り再生紙を使っています」「3. 本文はすべてヨコ組です」、まあ、この3つはべつにいいんだけど、4つめがちょっとひっかかった。

4. 英語(あるいは他の外国語)混じりの「4重表記」
これまでの日本語は世界でも類を見ない「3重表記」(ひらがな、カタカナ、漢字)の言葉でした。この特性を生かして、本書は、英語(あるいは他の外国語)をそのまま取り入れた「4重表記」で書かれています。これは、いわば日本語表記の未来型です。

ちなみに、このシリーズの最初のころの本には「(あるいは他の外国語)」っていうのがはいってない。「マルチ・カルチュラリズム 多文化主義」っていうのをかかげてるシリーズだから、英語だけっていうのをかんがえなおしたのかな。

で、この「4重表記」だけど、いまの日本語のかきかたはもともと4重表記になってるとおもう。ふつうの文章のなかに NHK とか ODA とか km とかの略号がでてきて、ひらがな・カタカナ・漢字以外の第4の文字が現につかわれてるんだから。だけど、ここでいってる「4重表記」っていうのはこれとはちょっとちがうみたいで、実際の例をあげるとこんなふうになってる。

その狙い target は明らかに、今後のこと not the present but the future にあった。

すでにお膳立て groundwork だけは整って be ready for しまったということである。

説明したら、おそらくみんな怒りだす getting mad から、ウソをつく tell a lie しかない。

これっていったいなんなんだ? 英語の参考書でもないのに、こんなふうなかきかたして、なんだっていうんだろ。

べつの例をあげると、

ちなみにローリング・ストーンズThe Rolling Stonesのミック・ジャガーMick JaguarのMickとか、ミッキーマウスMickey MouseのミッキーMickeyは、アイリッシュへの蔑称だが、いまでは誰もそうは思わなくなった。

なんていうのがあったけど、これならまだわかる。カタカナのあとにカッコにいれてもとのことばがかいてあるなんていうのはよくあることだ。

このシリーズの特徴の説明をよんだときにまずおもったのは、カタカナの外来語とかのかわりに外国語のまんまかいてあるんだろうってことで、たとえば、「ちなみに The Rolling Stones の Mick Jaguar の Mick とか、Mickey Mouse の Mickey は、Irish への蔑称だが」なんていうふうにやってるのかとおもったんだけど、そういうことじゃなかった。専門用語の翻訳語のあとにもとのことばをそえてるとかいうんならわかるけど、「怒りだす getting mad から、ウソをつく tell a lie しかない」みたいな、とくにどうってことないことばのあとにいちいち英語をいれるなんてことが、「4重表記」とか「日本語表記の未来型」なんてことになるわけ? それに「あるいは他の外国語」とかいってるくせに、しょせんは英語なんだよな。

2006.11.14 kakikomi

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