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日本の七曜神?

ある神社のパンフレットに、「七曜神について」っていう項目があって、「毎日が神様の日です」「日・月・火・水・木・金・土は人類とすべての生き物の命の源です。特に日曜日(天)、土曜日(地)は天照大神(大神宮様)と産土大神(氏神様)の日です」なんてかいてあった。で、ここでいう七曜神の名前はこうなってる。

  • 日曜:天照大神
  • 月曜:月読尊
  • 火曜:火産霊神
  • 水曜:水波能売神
  • 木曜:木木能知神
  • 金曜:金山彦神
  • 土曜:産土大神

よみかたは、「天照大神」は「アマテラス オオミカミ」、「月読尊」は「ツクヨミのミコト」、「火産霊神」は「ホムスヒのカミ/ホムスビのカミ」、「水波能売神」は「ミツハノメのカミ/ミズハノメのカミ」、「木木能知神」は「ククノチのカミ」、「金山彦神」は「カナヤマヒコのカミ」、「産土大神」は「ウブスナのオオカミ」。ただし、このよみかたは、古典にでてるのとか一般的なものをあげたまでで、このパンフレットにかいてあるわけじゃない。

七曜神っていうのは、太陽と月をふくめた七“惑星”の神のことで、仏教といっしょに日本につたわってきた(ふたつおおい九曜っていうのもある)。まえにもかいたけど、「曜」は「かがやく」ってことから「星」って意味があるから、「火曜」は「火星」ってことだ。日本につたわった七曜神はインドの惑星の神だけど、さかのぼればギリシャとかオリエントにいきついて、それぞれその土地の神話の神がみがあてられてた。

日本の神話には天体のはなしはほとんどないってことになってるし、このパンフレットにかいてある神がみも、日の神と月の神以外は天体の神ってわけじゃない。もともとの惑星の神とはぜんぜんべつに、火・水・木・金・土の五行(ごぎょう)に対応するような神がえらばれてるだけなんだろう。

太陽と月以外の五惑星の名前は、オリエントでもギリシャでもインドでも、火・水・木・金・土には関係なかったんだけど、中国で五行説の「木火土金水[もっかどごんすい]」に五惑星をあてはめるようになって、「火曜」とか「火星」って名前ができた。五行をもとにしていろんなものをあてはめてったなかには、日本の神話の神がみもあって(もちろんこれは日本でかんがえられたんだろうけど)、それを五行神っていってる。

  • 火:カグツチのカミ
  • 水:ミズハノメのカミ
  • 木:ククノチのカミ
  • 金:カナヤマヒコのカミ
  • 土:ハニヤマヒメのカミ

この5柱の神がみは、イザナキのミコトとイザナミのミコトの神話にでてくる。国土をうんだあと、つづけていろんな神がみをうみだすなかに、木の神ククノチ、火の神カグツチ(『日本書紀』にでてくる別名はホムスヒ)、土の神ハニヤマヒメ、水の神ミツハノメ、鉱山の神カナヤマヒコがいる。

パンフレットにある七曜神のうち、日の神と月の神をのぞいたのこりと、この五行神をくらべてみると、土曜だけがちがってる。パンフレットに「特に日曜日(天)、土曜日(地)は天照大神(大神宮様)と産土大神(氏神様)の日です」ってかいてあったみたいに、神社神道じゃウブスナ(産土)の神っていうのがだいじらしくて、神だなには伊勢神宮(大神宮様)のおふだといっしょにウブスナの神つまり氏神[うじがみ]のおふだをまつるっていうから、アマテラスオオミカミといっしょにどうしてもウブスナの神をいれたかったんだろう。そこで、五行神そのまんまじゃなくて、「産土」の「土」にひっかけて土曜にあてはめたってことなんだろうな。

日本語の曜日の名前は、いまは直接惑星をさしてるなんてあんまりおもわれてないだろうから、この七曜神にしても、惑星とは関係ない曜日の神って感じなんだろう。五行神からして惑星の神じゃなくて五行の神なんだし。

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2007.02.10 kakikomi; 2015.10.01 kakinaosi

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