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ユニコードのギリシャ数字と音楽記号と韻律記号

アルファベット式のギリシャ数字(アルファベット式ギリシャ数字」)は古典ギリシャ語に対応してるフォントがなくてもとりあえず表示できる(ただし数字用の3文字については多少問題がある 「ギリシャ語 Polytonic」のキーボード配列」)。でも、もっとふるい時代のギリシャ数字(かしら文字式ギリシャ数字」)はそうはいかない。「ギリシャ文字拡張(Greek Extended)」をふくんでるフォント(古典ギリシャ語用のフォント」)でも、ふるいギリシャ数字ははいってないのがおおい。

ふるいギリシャ数字は Windows 標準の機能だとキーボードからは直接入力できない。だから、たとえば ATOK なら、「文字パレット」をひらいて、そこから文字をえらんで入力しないといけない。でも、それまでつかってた ATOK がちょっとふるかったせいで、ふるいギリシャ数字の項目がなかったんだけど、バージョン・アップしたら、「文字パレット」にでてくるユニコードの みだしがすごくふえてて、ちゃんと ふるいギリシャ数字もあった。それに、古代ギリシャの音楽記号も!

ふるいギリシャ数字がはってるユニコードの項目は「古代ギリシャ数字(Ancient Greek Numbers)」で、そのなかには2種類の文字がある。ひとつは「Ancient Greek acrophonic numerals」で、これがここでいってる ふるいギリシャ数字なんだけど、こういうふうに、この手のギリシャ数字のことを acrophonic っていってる。これは かしら文字式ってことで、こういうふうにいうのは数詞のかしら文字を数字としてつかってるからだ(かしら文字式ギリシャ数字」)。もうひとつは「Ancient Greek papyrological numbers」で、こっちは papyrological なんていってるみたいにパピルスとかでつかわれた記号で、お金とか分量の単位とか分数とか、そういうものがある。

「文字パレット」に「古代ギリシャ数字(Ancient Greek Numbers)」の項目があるからって、対応するフォントがないと実際には表示できない。「ギリシャ文字拡張(Greek Extended)」をふくんでるフォントで、このギリシャ数字まではいってるフリーのフォントとしては「Aegean」「Alexander」「Aroania」「Avdira」「Cardo」「IFAO-Grec Unicode」「New Athena Unicode」「Quivira」がある。それから「FreeSerif」「Tempora LGC Uni」には5つ、つまり五・五十・五百・五千・五万をあらわす数字だけ はいってる。それに「CMU Bright」「CMU Classical Serif」「CMU Concrete」「CMU Sans Serif」「CMU Sans Serif Demi Condensed」「CMU Serif」「CMU Serif Extra」「CMU Serif Upright Italic」「CMU Typewriter Text」には4つ、五十・五百・五千・五万だけがある。

かしら文字式ギリシャ数字」のページの表をみてもらえばわかるけど、そもそもが かしら文字式なんだから数字としては大文字をつかえばいい。ただし五・五十・五百・五千・五万はとりあえずアルファベットにはない文字だから、これだけはべつに必要だ。だから、その5文字だけいれてるフォントがあるわけだけど、五をあらわす文字は ふるいかたちの Π で、かたちにこだわらなきゃ五には Π をつかうこともできないわけじゃない。それで、五をぬかした4文字だけがはいってるフォントもある。このばあい、この4文字は Π のかたちにあわせてある。

つぎに、「古代ギリシャ数字(Ancient Greek Numbers)」にふくまれてる文字を「Cardo」をつかってひととおりあげておくことにする。

Ancient Greek acrophonic numerals

Ancient Greek papyrological numbers

「Aegean」「Alexander」「Aroania」「Avdira」「Cardo」「IFAO-Grec Unicode」「New Athena Unicode」「Quivira」には音楽記号のほうもある。ユニコードの項目は「古代ギリシャ音符記号(Ancient Greek Musical Notation)」。このなかには「Ancient Greek vocalic notation」(声楽用)と「Ancient Greek instrumental notation」(器楽用)と「Further Greek musical notation symbols」がある。声楽用と器楽用っていっても、どっちにもつかわれる記号もあるんだけど、いちおうこういうふうにわけてある。これも「Cardo」をつかってひととおりあげておく。

Ancient Greek vocalic notation

Ancient Greek instrumental notation

Further Greek musical notation symbols

「Further Greek musical notation symbols」の最初の3つはほかの文字の上につく記号で、単独の記号としては韻律をあらわすのにもつかわれる。そのばあいの記号としてはユニコードの「その他の技術用記号(Miscellaneous Technical)」のとこにある。この項目には韻律をあらわすほかの記号もあって、「Aegean」「Alexander」「Alfios」「Anaktoria」「Aroania」「Atavyros」「Avdira」「Cardo」「IFAO-Grec Unicode」「New Athena Unicode」「Old Standard(Old Standard TT)」「Quivira」にはこの韻律記号もはいってる。かしら文字式の数字と音楽記号はないけど、韻律の記号だけなら「Gandhari Unicode」にもある。それと古典ギリシャ語用じゃないけど「Symbola」っていうフォントにも韻律記号がある。それから「Linux Biolinum」「Linux Libertine」には韻律記号のうちひとつだけがはいってる。この韻律記号も「Cardo」をつかってひととおりあげておく。

Metrical symbols

さらにユニコードには「ビザンチン音楽記号(Byzantine Musical Symbols)」っていうのもあるんだけど、「ギリシャ文字拡張(Greek Extended)」があってこれもはいってるフォントとしては「Alexander」「Aroania」「Avdira」「FreeSerif」がある。「FreeSerif」にはユニコードの「音楽記号(Musical Symbols)」の部分もある。それから音楽記号用のフォント「Musica」にも「古代ギリシャ音符記号(Ancient Greek Musical Notation)」といっしょに「ビザンチン音楽記号(Byzantine Musical Symbols)」もはいってる(とうぜんユニコードの「音楽記号(Musical Symbols)」の部分もある)。この「ビザンチン音楽記号(Byzantine Musical Symbols)」を「FreeSerif」をつかってひととおりあげておく(246個)。

Byzantine Musical Symbols

ここにでてきた古典ギリシャ語用のフォントの入手先は「古典ギリシャ語用のフォント」のページに紹介してある。古典ギリシャ語用じゃない「Symbola」と「Musica」も「Aegean」「Alexander」「Alfios」「Anaktoria」「Aroania」「Atavyros」「Avdira」のページ(Unicode Fonts for Ancient Scripts)で手にはいる。

古典ギリシャ語:古代ギリシャ語。

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2007.05.17 kakikomi; 2010.05.22 kakinaosi

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