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ウェブサイトのギリシャ語原典について

いまどき、ギリシャ語の古典の原文はネットでも無料でけっこうみられるけど、いくつか みくらべてみて、句読点とかのちがいに気がついた。

ギリシャ語の句読点はとりあえず4つある(ギリシャ語の文字と発音:句読点」)。終止符とコンマと疑問符とコロンだけど、終止符とコンマは英語なんかとおんなじで、ちがうのは疑問符とコロンだ。

疑問符は英語のセミコロン(;)とおんなじかたちをしてる。コロンのほうは、英語のコロン(:)とちがって、上の点だけで(·)、英語でいえばコロンとセミコロンをかねてる。

このギリシャ語のコロンをつかわないで、英語とおんなじコロンにしちゃってるサイトがある。「Perseus」なんかがそうだ。Windows の「ギリシャ語 Polytonic」のキーボードで、コロンがなんだか入力しづらい、わかりにくいとこに配列されてるせいなのかな(「ギリシャ語 Polytonic」のキーボード配列」)。ただし「Perseus」でも SPIonic っていうユニコードじゃないフォントの表示にすると、ちゃんとしたギリシャ語のコロンになる(パソコンのフォントに SPIonic がインストールされてないと表示されない)。英語のコロンになるのは Unicode の表示にしたときだ。

それから、アポストロフィーにもちょっといろいろある。アポストロフィーそのものは英語とおんなじなんだけど、そもそも英語のアポストロフィーのフォントがちゃんとしたかたちをしてないってことがあるから、そのへんのことが関係してるんだろう。もともとタイプライターでキーの節約のためだったんだろうとおもうけど、いまのパソコンのキーボードでも引用符がはじめとおわりの2種類じゃなくて、1種類しかない。これはシングル(')でもダブル(")でもそうだ。で、シングルの引用符をアポストロフィーとしてもつかうから、けっきょく方向がないただのみじかい棒みたいなのになってる。ただし、キーボードから直接入力するんじゃなけりゃ、ユニコードのなかに“ちゃんとした”引用符もあるから、それをつかえばいいんだけど。

で、ギリシャ語でアポストロフィーを入力するときも結局これになって、アポストロフィーだけヘンなかたちの記号になっちゃう。無気記号(᾿)とおんなじかたちのはずなのに。たとえば ἀλλά の最後の母音が省略されると ἀλλ' になるけど、このアポストロフィーは英語のとおんなじになってるせいか、フォントによるちがいもあんまりない。これをそのまんまつかってるサイトもおおいけど、やっぱりみた目に不満があるのか、ほかの記号にかえてるとこがけっこうある。

ひとつは、文字とくみあわせない無気記号をつかうやりかたで、これがみた目にはいちばんいいとおもう。これだと ἀλλ᾿ になる。それから、ギリシャ語用っていうんじゃなくて、「一般句読点」の右シングル引用符(とじるほう)をつかってるサイトもある。それだと ἀλλ’ になる(フォントは「Palatino Linotype」)。これもわるくないかも。ただしこれだと、ここで表示されてるみたいにフォントによってはギリシャ数字の記号とまぎらわしい(アルファベット式ギリシャ数字」「古典ギリシャ語用のフォント」)。ほかのフォントだと、たとえば「Microsoft Sans Serif」なら ἀλλ’ だから、これでいいけど、「Tahoma」だと ἀλλ’ だから、やっぱりちょっとよくないかな。数字とまちがえることはないかもしれないけど。それから、そのギリシャ数字の記号をつかってるとこもあって、それだと ἀλλʹ になる。最初っから数字の記号といっしょってわりきっちゃってるんなら、これもありなのかな。

あと「ギリシャ語フォントの鋭アクセント記号」にかいたみたいに、鋭アクセント記号のちがいもある。つまり、サイトによっては、古典語の鋭アクセント記号のかわりに現代語のアクセント記号をつかってるとこがある。サイトのほうでフォントを「Palatino Linotype」に指定してるとこがけっこうあるから、そのばあいはちがいがわかんないけど、そのテキストをコピーでもして、「Tahoma」とかの、鋭アクセント記号と現代語のアクセント記号がちがってるフォントでみてみるとはっきりする。

関連記事
 ・ギリシャ語の文字と発音
 ・「ギリシャ語 Polytonic」のキーボード配列
 ・アルファベット式ギリシャ数字
 ・古典ギリシャ語用のフォント
 ・ギリシャ語フォントの鋭アクセント記号

2007.05.19 kakikomi; 2010.02.17 kakinaosi

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