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ブラバツキー夫人

ブラバツキー夫人(Madame Blavatsky、1831-1891)は「神智学協会」の創設者のひとりで、現代神知学の源流っていえるひとだけど、このひとの名まえのカタカナがきとしては「ブラヴァツキー」っていうのをいちばんよく目にする。「ヴ」のことをべつにすれば(「ヴ」のつかいかた」)、このかきかたはとくにどうってことはない。

それでも、なかには「ブラヴァキー」なんていうかきかたをしてるのがあるし、はっきり「ブラバキー」っていってるひともいる。でも「Blavatsky」ってつづりからわかるように、ちいさい「ッ」はまちがいだ。

ブラバツキー夫人はロシアうまれで、ブラバツキー 夫人 になったのは、17才のときにブラバツキーってひとと結婚したからだけど、ロシア語だと名字にも女性形がある。だからロシア語としてはこの名まえはほんとは Блаватская (Blavatskaya)[ブラヴァツカヤ]だ。そうなると「ブラワツカヤ」「ブラバツカヤ」「ブラヴァツカヤ」とでもしたほうがいいのかな…。

そういうふうにかいてるのをひとつだけみたことがある。N. F. ジロフ『アトランチス大陸研究原典』(伊藤清久訳、新人物往来社)っていう本なんだけど、これには「ブラワトスカヤ」っていうのがでてくる。「ツ」じゃなくて「トス」にしてるとこはともかくとして、女性形でブラバツキーの名まえがかいてある本はとりあえずこれくらいしかみたことがない。

ネットのほうだと「E. P. Blavatskaja」っていうドイツ語のサイトがあって、ドイツ語式のつづりで Blavatskaja [ブラヴァツカヤ]になってる。

たしかにこういうのもあることはあるんだけど、ブラバツキー夫人はだいたい英語圏で活動してたし、英語の名まえとして本人が Blavatsky を名のってたみたいだから、まあ、この名まえはこのまんまでべつにいいのかな。それにブラバツキー夫人の名まえを略してよく H. P. B. なんてかくんだけど、これは Helena Petrovna Blavatsky の略で、この Helena もロシア語のかたちじゃない。H. P. B. とか Helena っていっときながら Blavatskaya だけロシア語のかたちっていうのもちょっとへんだろう(上にあげた「E. P. Blavatskaja」ってサイトはロシア語のかたちにしてるだけあって H. じゃなくて E. にしてる)。

っていっても、女性形の名まえにするのがわるいわけでもないけど…。

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 ・「ヴ」のつかいかた

2008.01.23 kakikomi

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