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「ミュージアム」の語源

日本語のミュージアムのもとはもちろん英語の museum だけど、ミュージアムって日本語からすると英語の museum はアクセントが mu- にあるみたいな感じがしちゃうだろう。でもほんとは -se- にあって発音は[mjuːˈziːəm ミューズィーアム]だ。で、museum の意味が「博物館、美術館、記念館、資料館」だっていうのはいうまでもないとして、この英語のもとはラテン語の museum [ムーセーウム]で、さらにそのもとはギリシャ語の μουσεῖον [muːːon ムーセ~オン]」(ムーセイオン)だ。

ムーセイオンっていうのは学芸の女神ムーサ(Μοῦσα [mûːsa] 9柱のムーサ」)をまつる場所のことで、プラトーンとかアリストテレースがつくった学校でムーサをまつってたことから、そのうちムーセイオンは教育機関・研究機関のことにもなった。

ギリシャ語の単語をラテン語にとりいれるときギリシャ語の語尾はラテン語の語尾にかわる。だからこのばあいもギリシャ語の中性名詞の語尾 -ον [on]はラテン語の中性名詞の語尾 -um にかわってる。それからギリシャ語の ει は古典時代の発音だと口のひらきがせまい[eː]で、のちには[iː]になったから、ラテン語にうつすときは i [イー]になることがおおいんだけど、子音のまえの ει が[iː]になっても母音のまえの ει はまだ[eː]だった時期があったから、ここでも μουσεῖονει はラテン語で e [エー]になってる。

ラテン語の museum が変化してイタリア語の museo [ムゼーオ/ムセーオ]とかフランス語の musée [ミュゼ]になったんたけど、フランス語にはラテン語からあらためてとりいれた muséum [ミュゼオム]っていうのもある。フランス語で音節の最後の m はふつう鼻母音をあらわしてるけど、ラテン語からとりいれた単語のばあいは子音としてよむ。とくに単語のおわりの -um は[ɔm]って発音する。ラテン語のフランス式発音とおんなじだ。

ドイツ語にはラテン語からはいった Museum [ムゼーウム]がある。それから現代ギリシャ語にもこのことばはのこってて、「博物館」って意味で μουσείο [ムスィーオ]っていってる。

プラトーン:プラトン。 アリストテレース:アリストテレス。

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2008.02.22 kakikomi; 2010.09.13 kakinaosi

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