百字真言の輪
チベット密教の本によくでてくる金剛サッタ〔金剛薩埵〕(वज्रसत्त्व〔Vajrasattva〕[ヴァッジュラサットワ])の浄化法で、金剛サッタの胸のとこに月輪[がちりん]があって、その上に「フーン(हूँ〔hūṃ〕)」っていう種字と百字真言がならんでるのをおもいえがくっていうのがある。
百字真言についてはまえにかいたことがあるけど(→「百字真言のもともとのかたち」)、この100文字がじっさいに月輪の上にならんだらどんな感じになるのかとおもって、ちょっと画像をつくってみた。
日本の密教の月輪は水晶みたいな玉だったりで、蓮台つまりハスの花の台と本尊はそのなかにえがくようになってるけど(金剛界のばあい)、チベットの月輪は白い円盤で、蓮台の上に月輪がのってて、その上に本尊がすわるようになってる。この浄化法でも月輪は白い円盤で、その上に白い「フーン」の字(日本の密教の用語なら「吽字[うんじ]」)と百字真言の白い文字がたってならんでる。「フーン」はまんなかにあって、たぶん百字真言よりおおきな文字なんだろう。百字のほうは月輪の円周のとこに右まわりにならんでる。文字も月輪も白だから、背景に色をつければよかったかもしれないけど、そもそも金剛サッタのからだの色も白で、白い胸のなかに白い月輪があって、その上に白い文字がならんでるってことだから、背景の色はつけなかった。ただ、そのまんまじゃ全部白くてなんだかわかんないから、文字にはうすい輪かくをつけてみた。それから月輪の円周のとこには百字真言がならんでるから、月輪そのものは省略した。それと、文字は梵字[ぼんじ]でもチベット文字でもなくて、いまサンスクリット語につかわれてるデーバナーガリー文字(देवनागरी〔devanāgarī〕[デーヴァナーガリー])にした(図はクリックで拡大)。

『実践講座4 チベット密教 図説マンダラ瞑想法』(ツルティム・ケサン+正木晃 共著、ビイング・ネット・プレス)っていう本にはいちおうこの図がのってる。ただしそれは黒い線の円周であらわした月輪のなかに、黒いチベット文字がかいてあるもので、まんなかにおおきな「フーン」の字があって、まわりには百字真言の文字がならんでるんだけど、途中を省略してある。つまり、じっさいに100文字がならんでる図にはなってない。この文字はじっさいには月輪の上にたってるはずだけど、この図だとねてるようになってる。つまり、月輪を上からみた図で、百字真言は円の外側を上にして文字がならんでる。もともとも内側にむいて たってた文字を外側に たおした感じだ。そこで、ここでも、そういう画像もつくってみた(図はクリックで拡大)。

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