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プリアーポスもまけた

『ギリシャ詞花集』にはけっこう しもネタもたくさんあって、たとえば、

ἐστηκὸς τὸ Κίμωνος ἰδῶν πέος, εἶφ᾿ ὁ Πρίηπος·
 «οἴμοι, ὑπὸ θνητοῦ λείπομαι ἀθάνατος.»

[estɛːkós tó kímɔːnos idɔ̂ːm péos êːpʰopríɛːpos
 ǒimoj hypó ttɛːː lěːpomaj aːtʰánatos]

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 ―∪∪|――|―∥―∪∪|―∪∪|―

キモーンのモノが たっているのをみて、プリアーポスがいった、
 「なんと、神のわたしが人間にまけるとは」

なんていうのがある(11.224)。韻律はエレゲイオン(古代ギリシャの韻律:エレゲイオン」)。プリアーポス(Πρίαπος [príaːpos])は巨大な男性シンボルをもってるすがたであらわされる神で、この詩だとイオーニアー方言のかたちで Πρίηπος [プリエーポス]になってる。

「神」って訳した ἀθάνατος [アータナトス]は「死ぬことのない、不死身の」って意味のことばで、神のことをいってる。散文だと発音は[アタナトス]になる。っていうか韻文にでてきたから、韻律にあわせて最初の「ア」がのびただけだけど。

「人間」って訳した θνητοῦ [トネートゥー](これは属格のかたち)は、「やがて死んでしまうもの」って意味で、人間のことをいってる。

『ギリシャ詞花集』:『ギリシャ詞華集』。 キモーン:キモン。 プリアーポス:プリアポス。 イオーニアー:イオニア。

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2008.10.13 kakikomi; 2015.09.25 kakinaosi

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