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フランス語の鼻母音「an, am, en, em」

フランス語の発音の特徴として鼻母音があげられるとおもうけど、その鼻母音には4つある。
/ɑ̃/ an am en em /ɛ̃/ in im yn ym ain aim ein eim /œ̃/ un um /ɔ̃/ on om

発音記号のあとにその音をあらわすつづりをあげておいたけど、そのつづりでも鼻母音にならないばあいもあることはある。それから、このあとはそれぞれ an、in、un、on で代表させることにする。

un はパリとかフランス中部・西部だと in とおんなじに発音するようになってきてるらしくて、そのうち鼻母音は3つになるのかもしれない。それに、もともと un がでてくる単語はすくない。

で、はなしは an のことで、an はカタカナだとたいてい「アン」ってかかれてきたんだけど、実際には「オン」みたいにきこえる。発音記号の印象とちがって in のほうが「アン」だし、カタカナでも「アン」ってかく。それから un も「アン」だから、カタカナで「アン」になっちゃうのがおおい。ただし on は「オン」。

じっさい an と on は、それぞれ対応してるってかんがえられてる母音[ɑ]と[ɔ]とはけっこうちがってるっていう研究があるし、[ɑ]と[ɔ]とちがって、an と on の舌の位置は接近してるってはなしだ。つまり an と on はにたような感じで、ちがいっていえば on のほうがくちびるをまるめることぐらいだっていうから、an も「オン」にきこえるのは当然なんだろう。an はくちびるをまるめない「オン」で、on はくちびるをまるめる「オン」ってことになる。このふたつの鼻母音はいままでとはちがう発音記号であらわしたほうがいいってかんがえてるひともいるんだけど、いまんとこ そのやりかたはひろまってない。

いつだったかフランス語の入門書であたらしいカタカナがきを採用したっていう本がでて、それをみてみると、an が「オン」になってた。あたらしいカタカナっていうのはこのことなんだろう。

そのあと、堺正章とムッシュかまやつと井上堯之が結成したソン・フィルトルっていうグループの名まえがでてきた。これはフランス語の Sans Filtre で、an を「オン」にしてるわけだ。ソン・フィルトルって名まえのレストランもあるらしい。

それとか、ベルギーでショコラ工房をやってる Pierre Ledent っていうショコラティエ兼パティシエはカタカナでピエール・ルドンになってる。ここでも en(=an)が「オン」になってる。

an を「オン」ってかくのはふつうになったのかな。

2009.02.20 kakikomi; 2009.03.15 kakitasi

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コメント

新しいカタカナ表記…そうなんですか!
それだとカタカナからもとの綴りを推測するのが難しいですね、人名とか地域なんて特に。
ネイティブにenですかanですか、って綴りを訊くのは何も不思議に思われないと思いますが、これに「それともonですか?」まで入れると、はあ?って言われそうです…。

投稿: y | 2010.09.12 05:33

いままでのカタカナをもとにすると「アン」のつづりをきくのに、en と an のほかに in か yn か ain か ein か un かもきかなきゃいけないのに対して、あたらしい「オン」なら en と an と on の3つですみます。

ネイティブにとっては an と on の区別ははっきりしてるので、en か an というほかに on のこともきくのは不思議かもしれません。でも、それをいうなら、いままでの「アン」に対して、en an のグループのほかに、ネイティブにとっては発音がちがってる in yn ain ein un まできかれるほうがもっと不思議ってことはないでしょうか。

あたらしいカタカナがきのほうがマシになってるようにおもえるんですけど。

投稿: yumiya | 2010.09.12 15:11

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