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梵字の数字

日本につたわってる梵字にはとりあえず数字はないみたいで、梵字の本には数字のことはでてこない。ちょっとふるい本で、デーバナーガリー文字といっしょに梵字もおしえてるサンスクリット語の入門書があったけど、その本にも数字のとこにはデーバナーガリー文字しかのせてない。

でも、梵字のグッズとかをあつかってるサイトに梵字の数字が堂々とのせてあるとこがある。梵字に数字なんてほんとにあったんだっけ。

梵字ってことばをひろい意味でつかって、サンスクリット語の文字ってことでいうなら、そりゃ数字はあるだろう。日本につたわった梵字、これはシッタン文字ともいうけど、これだってインドでつかわれてたときには数字もたぶんあったんだろう。でも、梵字が仏教といっしょに日本にはいってきたときには数字はつたわらなかったんじゃないのかな。つたわってるんなら、梵字の本のどれかには数字のことがでてきてもおかしくないだろう。

梵字の数字がのってるサイトでその数字をみてみると、デーバナーガリー文字の数字にそっくりだ。インド系のほかの文字の数字だって これほど にてはいない。それに、梵字とデーバナーガリー文字でけっこう にてる文字はあるけど、やっぱりこれほどは にてない。すごくにてる数字があってもおかしくはないけど、全部が全部よくにてるとなると、この梵字の数字と称するものは、デーバナーガリー文字を梵字ふうにデザインしたものなんじゃないのかな。そうだとすれば、梵字に数字があるなんてことをいうのはどうなんだろ。そのサイトの梵字は現代ふうにアレンジしてある感じだから、現代の梵字として数字をつくっちゃったのかな。

ただし、日本につたわってる梵字にひとつだけ数字がある、っていえなくもない。

梵字には文字のほかにいくつか記号があって、要するに句読点みたいなもんだけど、そのなかに単語をくりかえす記号がある。梵字の本にはこのくりかえし記号が3つのってる。それぞれずいぶんかたちがちがうけど、真ん中のは、いちばん上の記号が漢字の影響かなんかでかたちがかわったんじゃないかともおもう。でもって、いちばん上のは算用数字の 2 によくにてる。っていうか、これは数字の 2 だろう。

デーバナーガリー文字で単語をくりかえす記号として数字の 2 がつかわれることがある。デーバナーガリー文字だと数字の 2 は だけど、これにしても、算用数字にしても、梵字のくりかえし記号のひとつにしてもだいたいおんなじかたちだ。梵字のこの記号がほんとに数字の 2 なら、デーバナーガリー文字がつかわれるようになるまえから、くりかえしの記号として数字の 2 がつかわれてたってことになる。

デーバナーガリー:デーヴァナーガリー。 シッタン:悉曇。

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2009.03.14 kakikomi

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