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インド大使館の表札

ちょっとまえのことだけど、たまたまインド大使館のまえをとおったら表札が目にはいって、これがちょっとおもしろかった。

この写真のいちばん上の絵はインドの国の紋章で、その下にちいさい文字でサンスクリット語の標語がかいてある。さらにその下には、ヒンディー語と日本語と英語で「インド大使館」ってかいてあるけど、サンスクリット語とヒンディー語につかわれてるのはおんなじデーバナーガリー文字だ。

紋章の図柄はアショーカ王がたてたサールナートの石の柱にあるもので、紋章の下の標語は紋章の一部みたいなもんらしい。インドのパスポートにもこの標語つきの紋章が表紙のまんなかに印刷してある。

サンスクリット語の標語は、ヒンドゥー教の聖典のひとつ『ムンダカ・ウパニシャッド』(3.1.6)からとられたもので、あらためてここにかきだせば、こうなる。

सत्यमेव जयते
 satyam eva jayate
 サッテャメーヴァ ジャヤテー

意味は「真実こそが勝利する」「真実だけが勝利する」ってことだけど、原文だとこのあとに नानृतं nānta [ナーヌリタム]っていうのがつづいてるから、それもふくめて訳せば、「勝利するのは真実だけであって、いつわりではない」ってことになるだろう。

ちなみに、『研究社 新英和大辞典』には英語のことわざとして「Truth will prevail. 《諺》 真理は勝つもの.」っていうのがのってる。この標語の翻訳としてもそのまんまつかえるかもしれない(サンスクリット語のほうは現在形だけど)。

truth とおんなじで सत्यं [サッテャム]は「真理」とも訳せるから、サンスクリット語の標語も「真理こそが勝利する」っていうふうにも訳せるんだけど、このばあい「真実」と「真理」とどっちがいいんだろ。もともとの文章で「いつわり」とならんで でてくるから、とりあえず「真実」にしといたけど。

デーバナーガリー文字:デーヴァナーガリー文字。 ヒンドゥー教:ヒンズー教。

2009.06.22 kakikomi

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