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俳優座劇場のレリーフのギリシャ語

六本木の俳優座劇場にいったとき みつけたんだけど、ロビーだったか廊下だったか、とにかくこの劇場に、ちょっとおもしろい人物像をなん人かあしらったレリーフがあって、その人物像の下にギリシャ語があった。その文章は、

ΑΝΘΡΩΠΟΣ ΩΝ ΤΟΥΤ ΙΣΘΙ ΚΑΙ ΜΕΜΝΗΣ ΑΕΙ

っていうもので、これを小文字でかきなおして、発音と韻律と訳をつければ、こうなる(韻律はイアンボス・トリメトロス 古代ギリシャの韻律:イアンボス・トリメトロス」)。

ἄνθρωπος ὢν τοῦτ᾿ ἴσθι καὶ μέμνησ᾿ ἀεί.

 [ántɔːpos ɔ̌ːn tûːt ístʰi kǎi mémnɛːs aěː

 ――∪―|――∪―|――∪―

人間なのだから、そのことをいつもこころえていて、わすれてはいけない。

これは、アッティカ新喜劇の代表的な作家のひとりピレーモーン(Φιλήμων [pʰilɛ̌ːmɔːn]、紀元前361年ごろ~263年)のことばだ。このひとの作品そのものはのこってなくて、いわゆる断片がつたわってるだけだから、このことばももちろんその断片のひとつで、ストバイオス(Στοβαῖος [stobâijos]、ラテン語で Stobaeus、5世紀ごろ)が息子のために編さんした『精華集』(Ἀνθολόγιον [antʰolóɡion]、ラテン語で Florilegium)におさめられてる。

ちなみに、このレリーフの作者は土方久功(ひじかた ひさかつ、1900-1977)で、そういえば、このひとのことは、なん年かまえに「世界ふしぎ発見!」でやってたっけ。

ピレーモーン:フィレーモーン、フィレモン。 『精華集』:『詞華集』、『抜粋集』、『選文集』

2009.12.21 kakikomi; 2015.09.26 kakinaosi

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