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ドイツ語の「象牙(Elfenbein)」は「妖精の骨」?

ドイツ語で象牙のことを Elfenbein [エルフェン・バイン]っていう。これをそのまんま訳せば「妖精(エルフ)の骨」になる。なかなかおもしろい いいかたをするもんだなっておもったけど、実際には妖精とは関係ないらしい。

こまかいことをぬきにして現代ドイツ語におきかえて説明すれば、前半の Elfen は Elefant [エレファント]のちぢまったもので、そういうことだから、もともとこれは「ゾウの骨」っていうけっこうあたりまえのいいかただった。

ちなみに、ドイツ語の象牙には Elefantenzahn [エレファンテン・ツァーン]っていうのもあって、これはそのまんま「ゾウの牙」。

Elefant のもとはラテン語の elephantus [エレパントゥス]/elepha(n)s [エレパー(ン)ス](語幹は elephant-)で、そのもとはギリシャ語の ἐλέφας [elépʰaːs エレパース](語幹は ἐλεφαντ- [elepʰant])。もちろんこれは英語の elephant の語源でもある。

ドイツ語の Bein は英語の bone とおんなじ語源のことばで、意味は「足」(英語の leg)だから英語とちがっちゃってるけど、南ドイツとかオーストリアとかスイスだと「骨」の意味でつかわれるし、Elfenbein みたいに複合語だと「骨」になる(標準ドイツ語で「骨」は Knochen [クノッヘン])。もともとの意味は「骨」で、それが標準ドイツ語だと「足」になった。ただし、ドイツの北部と中部だと英語の foot の意味でつかわれることもある(標準ドイツ語の foot は Fuß [フース])。

2010.06.04 kakikomi; 2010.06.07 kakitasi

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