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コンシャス・チャネラーとトランス・チャネラー

いまチャネラー(channeller, channeler)とかチャネル(channel)とかいわれてるひとたちのことは、まえは霊媒っていってたわけだけど、霊媒は英語で medium [ミーディアム]っていう。これはラテン語そのまんまを英語よみしただけのことばだろうけど、「中間、媒体、手段、仲介者」っていう意味がある。

もとのラテン語 medium [メディウム]は、medius [メディウス](中間の)っていう形容詞の中性のかたちが名詞になったもので、「中間、中央、媒質」っていうような意味だから、英語の意味とあんまりかわりがないけど、英語で現代のものをさしてる意味は古代のラテン語にはもちろんない。

ラテン語 medium の複数形は media [メディア]で、英語の medium の複数形には、このラテン語のまんまの media [ミーディア]と英語のふつうの複数形 mediums [ミーディアムズ]がある。どっちになるかは意味によってちがいがあって、霊媒の複数形は mediums のほうだ。マスメディアの media はこれで単数あつかいになることもあって、さらにその複数形が medias になることもある。

日本語でメディアっていってるのは、発音からするとなんかラテン語みたいだけど、たぶんそうじゃなくて、英語の media をローマ字よみしただけだろう。肉のやきかたの ミディアム はもちろん英語の medium で、こっちはローマ字よみじゃない。

ラテン語の medius は英語の mid、middle とおんなじ語源のことばだから、これが「中間の」っていう意味なのはわかりやすいとおもうけど、中間にあるものは媒体とか仲介者になるから、そういう意味にもなった。

channel のほうは、霊媒の意味だと日本語でチャネルなんていってるけど、これはもちろんチャンネルとおんなじことばで、「水路、海峡、導管、経路、通路、ルート、方面、チャンネル」っていうような意味がある。英語にはフランス語からはいったから、そのもとはラテン語なんだけど、そのラテン語は canalis [カナーリス]で「(アシの)管、送水管」っていう意味だ。

で、チャネラーのはなしだけど、精神世界業界の有名人で、コンシャス・チャネラーよりトランス・チャネラーのほうが内容が正確だっていってるひとがいる。

コンシャス・チャネラーは、チャネラーが意識をたもったまんまでチャネリングするわけだけど、トランス・チャネラーのばあいは、すくなくとも はたからみるとチャネラーの意識はなくなって、なんかに憑依されたのとおんなじような感じなる。

コンシャス・チャネラーだと、そのひとの意識がジャマして内容がゆがめられたりするおそれがあるけど、トランス・チャネラーは、意識がジャマをしないから、そういうことがないっていうふうに いちおう かんがえられる。

でも、これってどうなんだろ。

トランス・チャネラーが無意識の状態になるっていったって、そのチャネラーの無意識が無色透明なわけじゃないだろう。むしろ、無意識のほうが意識よりももっとゴチャゴチャしてて、いろんなものがウズまいてるかもしれない。

正確な内容をつたえられるチャネラーのばあい、そういうことはないのかもしれないけど、けっきょく それはひとによるわけで、トランス・チャネラーのほうが内容をちゃんとつたえてるとはかぎらないんじゃないかとおもう。

それから、トランス・チャネラーじゃなくて、コンシャス・チャネラーのほうがいいっていうたちばだってある。

トランス・チャネラーのほうが低級な存在とかかわりやすいとかいうことみたいで、そうだとすると、せっかく内容を正確につたえられたとしても、そもそもその内容じたいが低級なものだったら、どうしょもないわけだ。

こういう点からいっても、かんたんにトランス・チャネラーのほうがいいなんていえないんじゃないかっておもうけど、トランス・チャネラーについてはさらに、こんなことがある。

トランス・チャネラーは寿命をちぢめるらしい。じっさい、トランス・チャネラーだったジェーン・ロバーツ(Jane Roberts、1929-1984)は、それで寿命をちぢめたっていわれてる。ジェーン・ロバーツはセス(Seth)っていう名まえの存在をチャネリングしたひとだけど、このひとの本はチャネリング本の古典だ。ジェーンは、セスのほかにも、セザンヌとかレンブラントとかウィリアム・ジェームズをチャネリングしたとかいうはなしで、55才でなくなった。

このひとの例をみると、ほら、やっぱり、なんて おもわないでもないけど、でも、そもそも寿命をちぢめるっていうのはどういうことなのかな。

チャネラーをつかって はなしかけてくる存在とチャネラーのあいだには、うまれてくるまえから約束のようなものがあるみたいだから、そのことからすると、寿命をちぢめるってことには疑問を感じる。

チャネラーは、その存在をチャネリングするってことをうまれるまえに自分でえらんでるわけで、それなら、トランス・チャネラーになるってこともわかってたわけだろう。トランス・チャネラーが寿命をちぢめるとしても、自分がそうなることをうまれるまえにきめてるんなら、それって、最初っから寿命がみじかいだけで、寿命がちぢまったことにはならないんじゃないかな。

もっとも、トランス・チャネラーっていう条件がないばあいの平均的な寿命よりみじかくなるっていう意味でいうんなら、寿命をちぢめるっていうふうにいうことはできるかもしれない。

ただ、それにしても、本人が同意してトランス・チャネラーになってるみたいだし、寿命がみじかいのが いいのか わるいのかなんて、なんともいえないだろう。

けっきょく、トランスかコンシャスかっていう区別だけで、そのチャネリングのよしあしを判断することはできないとおもう。

2010.09.09 kakikomi

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