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ながい母音を無視する(?)ドイツ語のカタカナがき

ホメーロス(Ὅμηρος [hómɛːros])を「ホメロス」にするみたいに、ギリシャ語とラテン語でながい母音を無視するカタカナがきがよくあるけど(ギリシャ語・ラテン語のながい母音のあつかい」)、ドイツ語でもみないことはない。

っていっても、モーツァルト(Mozart)、ベートーベン(Beethoven)、シューベルト(Schubert)、ブラームス(Brahms)、シェーンベルク(Schönberg)なんていうのがちゃんとあって、母音をみじかくするのは一部のことだし、ギリシャ語とラテン語みたいにわざわざそういうことをしてるんじゃないとおもう。たぶんドイツ語の発音そのものをまちがえてるんだろう。

ワーグナー(Wagner)、アードラー(Adler)、ハープスブルク(Habsburg)が、ワグナー、アドラー、ハプスブルクになるのはドイツ語のつづりのよみかたと関係あるんじゃないかとおもう。

ドイツ語の母音はそのあとに子音がふたつ以上つづくとみじかいことがおおい(そうじゃないのだっていくらでもあるけど)。Wagner も Adler も Habsburg も母音のあとの子音がひとつじゃないもんだから、母音がみじかいっておもわれてるんじゃないのかな。

それか英語の発音が、ワグナー(ドイツの作曲家の名まえとしては[ヴァーグナー]っていうみたいだけど)、アドラー、ハプスバーグだから、そのへんの影響とか?

ルードルフ(Rudolf)、アードルフ(Adolf)、テーレマン(Telemann)が、ルドルフ、アドルフ、テレマンになるのがどうしてだかはわかんないけど、これもドイツ語としてそういう発音だとおもってるんじゃないのかな(英語としては、ルードルフ、アドルフ、テイレマン)。

ch のまえのながい母音がみじかくなっちゃってるのもある。シュプラーヘ(Sprache)、ブーフ(Buch)、ビューヒライン(Büchlein)が、シュプラッヘ、ブッフ、ビュヒライン/ビュッヒラインになってるのなんかがそうだ(バッハの《オルゲル・ビュヒライン〔ビュッヒライン〕》とか)。

ch は2文字でひとつの子音をあらわしてるから母音のあとにつづいてるのは子音ひとつだ(Büchlein は Buch+lein だから Buch とおんなじ)。2文字だってことで母音がみじかいっておもっちゃってるなんてことがあるのかどうかわかんないけど、ch のまえの母音がみじかい単語はけっこうあるから、それにひきずられちゃってるんじゃないかとおもう。

ch のまえの母音がみじかいのは、バッハ(Bach)、ヴァッヘ(Wache)、アッハ(ach)、イッヒ(ich)、ドッホ(doch)なんがそうだけど、ch のまえの母音のながさは結局つづりからはわからない。-uch- はだいたいながいけど。

シュプラーヘについては、これに対応してる動詞シュプレッヒェン(sprechen)の母音がみじかいから、名詞の Sprache もみじかいっておもわれてるのかな。

そういえば Baumkuchen はちゃんとバウムクーヘンだな。

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 ・ギリシャ語・ラテン語のながい母音のあつかい

2011.08.11 kakikomi

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