« 聖ソフィア大聖堂のモザイクのギリシャ語 | トップページ | キエフにある聖ソフィア大聖堂のモザイクのギリシャ語 »

ラベンナのモザイクのギリシャ語

イタリアのラベンナはモザイクの町ってことで、モザイクの学校とか工房があるし、世界遺産になってる「初期キリスト教建築物群」にはモザイクがたくさんのこってる。イタリアだから、ここの教会のモザイクにかきこまれてることばはだいたいラテン語だけど、ちょこっとギリシャ語もある。

ダンテの葬式がおこなわれてダンテの墓もあるサン・フランチェスコ聖堂には地下納骨堂のあとがあって、主祭壇のそばから地下がのぞけるらしいんだけど、その床はモザイクでおおわれてて、雨がふると水につかる。そのモザイクにはラテン語とギリシャ語の碑文があって、ギリシャ語のものにはこういうのがある。

ΜΝΗΣΘΗΤΙ ΚΥΡΙΕ ΤΩΝ ΔΟΥΛΩΝ ΣΟΥ ΗΣΥΧΙΟΥ ΚΑΙ ΓΕΜΕΛΛΑΣ

Μνήσθητι, κύριε, τῶν δούλων σου Ἡσυχίου καὶ Γεμέλλας.

主よ、 あなたのしもべヘーシュキオスとゲメッラをみこころにとめてください。

「主よ、あなたのしもべをみこころにとめてください(おぼえていてください/わすれないでください)」っていう文章は墓碑銘にはよくあるみたいで、にてる文章が『詩編』にでてくるから、そのあたりがもとになってるのかな。ヘーシュキオスとゲメッラは男と女の名まえだから、これは夫婦の墓なんだろう。

それから、ラベンナっていっておきながらラベンナからちょっとはなれちゃうけど、ラベンナ観光でついでによることもある ちかくのクラッセってとこの聖堂にもギリシャ語がある。サンタポッリナーレ・イン・クラッセ聖堂の後陣のドームにモザイク画があって、そこにおおきな十字架がえがかれてる。

ΙΧΘΥΣ十字架の下にはラテン語で SALVS MVNDI (salus mundi、世界のすくい)って文字があるけど、十字架の上にはギリシャ語で ΙΧΘΥΣ ってかいてある。ΙΧΘΥΣ は「さかな」って意味なんだけど、なんで「さかな」のかは「サカナはおかず」で説明した。

十字架の左右には ΑΩ がかいてあるけど、これは『ヨハネの黙示録』第1章第8節と第21章第6節と第22章第13節にでてくる神のことば、

ἐγώ εἰμι τὸ ἄλφα καὶ τὸ ὦ.
(ἐγὼ τὸ ἄλφα καὶ τὸ ὦ.)

わたしはアルファであり、オメガである。

っていうのがもとで、その意味は第22章第13節のつづきに「最初の者にして、最後の者。初めであり、終わりである。(ὁ πρῶτος καὶ ὁ ἔσχατος, ἡ ἀρχὴ καὶ τὸ τέλος.)」ってかいてあることからわかる(日本語訳は新共同訳)。

ラベンナ:ラヴェンナ。 サンタポッリナーレ・イン・クラッセ:サンタポリナーレ・イン・クラッセ。

関連記事
 ・聖ソフィア大聖堂のモザイクのギリシャ語
 ・キエフにある聖ソフィア大聖堂のモザイクのギリシャ語
 ・パレルモにあるマルトラーナ教会のモザイク画のギリシャ語
 ・パリ・オペラ座のギリシャ語
 ・サカナはおかず
 ・日本でみかけるギリシャ文字の名まえ

2011.12.01 kakikomi; 2017.06.19 kakinaosi

|

« 聖ソフィア大聖堂のモザイクのギリシャ語 | トップページ | キエフにある聖ソフィア大聖堂のモザイクのギリシャ語 »