『テルマエ・ロマエ』
原作はマンガで、テレビ・アニメとか実写版の映画にもなった『テルマエ・ロマエ』だけど、映画でいうとタイトルの下に THERMÆ ROMÆ っていうラテン語がある。日本語でふつうにローマっていってるのに、なんでこれを「テルマエ・ローマエ」にしなかったんだろうなんておもっちゃうけど(→「ギリシャ語・ラテン語のながい母音のあつかい」)、それはそれとして…。
THERMÆ ROMÆ には A と E の結合文字がつかわれてる。これをかきかえれば THERMAE ROMAE になるけど、この作品をしってるひとならこれが「ローマの浴場」って意味だってことはわかってるだろう。Romae [ローマエ]は Roma の属格で「ローマの」、thermae [テルマエ]は複数主格で「温泉、共同浴場」だ。thermae ってつづりをみて th があることから、これがギリシャ語からはいったっていうのがわかる。
ギリシャ語の女性名詞 θέρμη [tʰérmɛː テルメー]は「あつさ、熱」っていう意味で、この複数形 θέρμαι [tʰérmai テルマイ]が「温泉」っていう意味になる。これをそのまんまラテン語の女性複数形にうつしたのが thermae だ。
もともとギリシャ語だったってことからもわかるように、温泉はギリシャにもあったわけだけど、共同浴場が発展したのはローマでのことだった。
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2012.05.10 kakikomi
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