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フランスでいちばん短い地名

フランス で、 って いう か 世界 で も いちばん みじかい 地名 の ひとつ だろう けど、 フランス 北部 のソンム (Somme) 県 に イ (Y) って いう まち (むら?) が ある。 フランス語 の つづり で も Y ひと文字 だ し、 カタカナ に したって イ ひと文字 だ。 それ に そもそも 子音 も ついて ない 母音 だけ の なまえ だ し、 その 母音 に して も ながい 母音 って わけ じゃ ない し、 これ 以上 みじかい なまえ は ない だろう。 おんなじ みじかさ なら あと ア と か エ と か オ と か ウ と か が かんがえられる けど。

なまえ の 由来 は ここ を とおってる みち が Y の かたち に みえる から だ って こと で、 地図 を みて みる と たしか に そんな かんじ で、 Y字路 みたい に なってる。 ロワゼル 道路 (Route de Roisel, D15) から マティニー 道路 (Route de Matigny, D615) が わかれる とこ な ん だ けど、 きた の 方角 が うえ に なってる ふつう の 地図 だ と ななめ ひだり した に あたま を むけた Y に みえる。 で もって おもしろい こと に カタカナ の イ に も みえる。

ここ の 住民 は 自分 たち の こと を Ypsiloniens [イプスィロニアン] (男性 複数)、 Ypsiloniennes [イプスィロニエンヌ] (女性 複数) って いってる らしい ん だ けど、 Yiens Yiennes じゃ さすが に ちょっと へん だ から か な。

Y は ギリシャ語 を うつす ため に ラテン語 の アルファベット つまり ラテン 文字 に あと から つけくわえられた 文字 で、 フランス語 の なまえ と して は イ グレック って いう ん だ けど、 これ は 「ギリシャ語 の イ」 って いう 意味 だ。 ドイツ語 だ と ユプシロン って いって、 ギリシャ語 の なまえ を その まんま つかってる。 英語 は ワイ だ けど、 それ 以外 の ヨーロッパ の ことば は たいてい ユプシロン (イプシロン) か 「ギリシャ語 の イ」 って いう なまえ に なってて、 両方 ある ばあい も ある。

フランス語 は i grec (y grec) な わけ だ けど、 説明 てき な なまえ だ し、 ここ から 住民 の よびな は つくり づらかった の か な。 で、 フランス語 の いいかた じゃ ない けど もう ひとつ の パターン の ほう を つかった の か、 おんなじ かたち の ギリシャ 文字 から とった の か わかんない けど、 Y を イプシロン って こと に して イプシロニアン イプシロニエンヌ に した ん だろう。

この イ の こと を 検索 したら、 例 に よって Wikipedia が まず でて きて、 住民 の よびな が ニホン語 版 は Ypsilonien(ne)s、 英語 版 は Ypsilonien(ne)s、 ドイツ語 版 は Ypsiloniens、 イタリア語 版 は ypsilonien(ne)s って いう ふう に フランス語 版 以外 は Y- で はじまる つづり な ん だ けど、 フランス語 版 だけ Upsiloniens に なってる。 フランス の 地名 だ から フランス語 版 がただしい の か な って おもう ん だ けど、 フランス語 版 の Wiktionary (Wiktionnaire) を みる と Ypsilonien だ。 って こと は フランス語 版 Wikipédia の Upsiloniens は まちがい な ん だろう。 Y って つづる なまえ の まち (むら?) の 住民 な ん だ から Y- の ほう が ふさわしい。

ギリシャ語 の ユプシロン は たいてい ラテン 文字 の Y で うつされる。 だ から ユプシロン って いう 文字 の なまえ も たとえば ドイツ語 なら Ypsilon だ。 でも 英語 と フランス語 は upsilon って かく。 英語 の つづり が ypsilon じゃ ない の は フランス語 式 って こと な の か な。 フランス語 で upsilon って いう つづり な の は フランス語 の u の 発音 と 関係 が ある。 フランス語 の u は 古典 ギリシャ語 の ユプシロン と おんなじ 発音 だ から、 ギリシャ語 の 単語 を ラテン 文字 に うつす とき、 フランス語 だ と y じゃ なくて u を つかう こと が おおい。 これ に 対して ドイツ語 は y が 古典 ギリシャ語 の ユプシロン と おんなじ 発音 だ から、 とうぜん その まんま y を つかう。

フランス語 で ユプシロン を upsilon って つづる もん だ から、 フランス語 版 Wikipédia は それ に ひきずられて Ypsiloniens を Upsiloniens って まちがえた ん だろう と おもう。

2013.12.01 kakikomi

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