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ユーロくらべてみれば「美しい言葉」

Eテレ の 語学 講座 で ドイツ語 と イタリア語 と フランス語 と スペイン語 は EURO24 って いう 共通 の 企画 を やってて、 「ユーロくらべてみれば」 って いう 4か国 で おんなじ 質問 を する コーナー が ある。

「テレビでドイツ語」 (2013.12.17) の なか で 放送 された この コーナー で 「美しい言葉」 って いう 質問 に たいして 4か国 ぜんぶ に でて きた こたえ が 「愛」 (Liebe、 amore、 amour、 amor) だった の は いい と して、 フランス人 の こたえ で おもしろい の が あった。

まず 中年 の 女性 が callipyge [キャリピージュ] 「きれいなお尻の」 って こたえてた。 こう いう ことば が フランス語 に なってた ん だ な。 おもしろい って おもった の は これ が ギリシャ語 起源 の ことば だ から な ん だ けど、 その 女性 は 「ギリシャ男性像のお尻が美しいときに言うの 角張った感じのね」 なんて 説明 してた。 「テレビでフランス語」 (2013.12.18) の なか で 放送 された ほう の 字幕 だ と 「ギリシャの彫刻 特にきれいなお尻の男性の彫刻のことよ 四角いの」 って いう 訳 で、 「テレビでイタリア語」 (2013.12.23) だ と 「ギリシャ彫刻なんかで 特に男性像のおしりがきれいなことを言うの 四角い感じのね」 って いう 訳 に なってた。 それ から callipyge の 訳 は 「テレビでイタリア語」 だ と 「おしりの形がよい」 で、 ほか の ふたつ は 「きれいなお尻の」 だった。 ちなみ に 「テレビでスペイン語」 に は この 部分 は つかわれて なかった。

もと の ギリシャ語 は καλλίπυγος [kallípyːɡos カッリピューゴス] で、 意味 は おなじ。 「うつくしい」 って いう 形容詞 は καλός [kalós カロス] だ けど 複合語 の ばあい に は καλλι- [kalli カッリ] って いう かたち に なって、 これ が πυγή [pyːɡɛ̌ː ピューゲー] (おしり) の 語幹 と むすびついて、 形容詞 と して の 語尾 が ついた の が καλλίπυγος だ。 アテーナイオス (XII, 554c) に アプロディーテー (ビーナス) の 形容詞 と して の 用例 が ある。

おんなじ 意味 の ことば と して 英語 に は callipygian、 callipygean、 callipygous が ある。 もちろん これ も ギリシャ語 起源 だ けど、 よく ある パターン と ちがって フランス語 から はいった わけ じゃ ない らしい。

もう ひとつ、 わかい 女性 が éphémère [エフェメール] 「はかない」 って こたえてた。 「音と意味が気に入っているのかしら」。 これ も ギリシャ語 起源 の ことば だ。

もと の ギリシャ語 は ἐφήμερος [epʰɛ̌ːmeros エペーメロス] で、 ἐπί [epí エピ] (~の うえ に、 ~ の あいだ に) と ἡμέρα [hɛːméraː ヘーメラー] (一日) の 語幹 が むすびついて (母音 省略 が ある)、 形容詞 と して の 語尾 が ついて できた。 「一日 かぎり の」 って こと から 「はかない」 って 意味 に も なった し、 「毎日 の」 って いう 意味 も ある。 この ことば の ドーリス 方言 の かたち が プトレマイオス の 詩 に でて くる (プトレマイオスの詩」)。

英語 に も 「はかない」 って 意味 の ephemeral が ある けど、 これ も フランス語 経由 じゃ ない。

ちなみ に callipyge、 callipygian、 callipygean、 callipygous の ギリシャ語っぽい 特徴 と して は、 単語 の 途中 に でて くる -y- が ある。 éphémère、 ephemeral の ほう は ph が ある の が それっぽい。

関連記事
 ・プトレマイオスの詩

2013.12.18 kakikomi; 2013.12.24 kakitasi

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