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フランクフルトのアイゼルナー橋のギリシャ語

フランクフルト の 「アイゼルナー 橋」 は ドイツ語 で Eiserner Steg [アイザナー シュテーク] って いって、 「鉄 の 歩道橋」 って 意味 の とおり 歩行者 専用 の はし な ん だ けど、 はし の いちばん たかい とこ に ギリシャ語 の 標語 みたい の が かかげて ある。

これ は 2001 年 の Museumsuferfest [ムゼーウムス・ウーファー・フェスト] (博物館 河岸 まつり) の なごり で、 この とき の ブック フェア の 招待国 が ギリシャ だった。

この ギリシャ語 は 『オデュッセイア』 (I, 183) から とった もの で、 こう かいて ある。

ΠΛΕΩΝ ΕΠΙ
ΟΙΝΟΠΑ ΠΟΝΤΟΝ ΕΠ
ΑΛΛΟΘΡΟΟΥΣ ΑΝΘΡΩΠΟΥΣ

これ で 183 行 の 全体 で、

πλέων ἐπὶ οἴνοπα πόντον ἐπ᾽ ἀλλοθρόους ἀνθρώπους

[plé̮ɔːn epí (w)ǒinopa pónton ep allotóuːs antr̥ɔ̌ːpuːs]

―∪∪|―∪∪|―∪∪|―∪∪|――|――

ブドウ酒色の海をわたって ことばのちがうひとびとのところへゆく途中

意味 と して は こう いう こと な ん だ けど、 これ 自体 で 完結 してる わけ じゃ なくて 文章 の 一部 だ から、 翻訳 と して も そう いう こと に なる。

ホメーロス の 『オデュッセイア』 だ から 韻律 は もちろん 叙事詩 に つかわれる ヘクサメトロス (古代ギリシャの韻律:ヘクサメトロス」)。

最初 の πλέων [プレオーン] は 2 音節 だ けど、 ここ で は 1 音節 と して 連続 した 母音 を 一気 に 発音 して、 韻律 の 最初 の ながい 単位 に なる。

ἐπί [エピ] って いう 前置詞 が 2回 でて きてて、 ひとつめ は その まんま だ けど、 ふたつめ は、 つづく 単語 が 母音 で はじまってる から、 最後 の 母音 が 省略 されて ἐπ᾽ に なってる。 …って いうと、 ひとつめ だって 母音 が つづいてる じゃ ない か って はなし に なる だろう けど、 οἴνοπα [オイノパ] は ふるくは [w] で はじまってて Ϝοίνοπα [ウォイノパ] だった から、 ホメーロス の 時代 に は 母音 で はじまって なかった。 だ から こっち は 最後 の 母音 は 省略 されて ない。

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2014.09.30 kakikomi; 2015.09.26 kakinaosi

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