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『アルテーミスの采配』の謎

『アルテーミスの采配』っていう小説の「アルテーミス」。これってギリシャ神話の女神アルテミスのことだろうけど、なんで「アルテーミス」?

古典ギリシャ語でアルテミスは Ἄρτεμις [ártemis アルテミス]、現代ギリシャ語で Άρτεμις [ˈartemis アルテミス]/Άρτεμη [ˈartemi アルテミ] で、「アルテーミス」じゃない。

ラテン語でもドイツ語でも Artemis [アルテミス]で「アルテーミス」じゃない。

英語 Artemis [アーティミス/アータミス]、フランス語 Artémis [アルテミス]、イタリア語 Artemide [アルテーミデ]、スペイン語 Artemisa [アルテミーサ] とかをみても、「アルテーミス」じゃない。

「テ」はもともとながくないわけだけど、この「テ」にアクセントがあるとしたら、現代ギリシャ語とかドイツ語とか後代のロマンス語的なラテン語の発音だと「アルテーミス」になるだろう。でも、アクセントは「ア」にあるからそうはならない。

「アルテーミス」っていう発音がどっかのことばにあるのかな。フランス語の Artémis ってつづりから「アルテーミス」だとおもったとか?

古典ギリシャ語のながい母音を無視してカタカナがきするっていうのはよくあるけど、ながくない母音をながくするっていうのはめずらしい。

小説をよめば「アルテーミス」になってる理由がわかるのかもしれないけど……、まあ、いいか。

2018.02.10 kakikomi

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