« シュトレンのハッシュタグ | トップページ | 新元号の出典が国書っていっても… »

まちがえやすいドイツ語の地名

ドイツ語のつづりの読みかたでちょっとやっかいなのが有声閉鎖音 b d g の発音だ。

たとえば Hamburg は ハンブル じゃなくて ハンブル なんだけど、ハンブル っていうのはよく見かける。ただ、単語の最後の b d g が ブ ド グ じゃなくて プ ト ク になるっていうのははっきりしてるし、-ig は イヒ だから(イク っていう方言的な発音もよく耳にするけど)、ドイツ語をある程度知ってるならとくに問題にはならない(ただし、-ng で終わってるものは、このつづりは[ŋ]をあらわしてるから、ン っていうのはまちがいだ。ン にしておくしかないだろう)。

ところが、単語の途中で音節の終わりに来る b d g はちょっとややっこしい。Friedrich は フリーリヒ なのに、Ludwig は ルーヴィヒ だったり、Wagner は ヴァーナー なのに、Wagnis は ヴァーニス だったりで、けっこうまちまちだ。

ドイツの観光地の名前でもこのへんはいろいろあって、まちがってるほうが正しいみたいになっちゃってるのがある。

ひとつは、Quedlinburg。これは クヴェーリンブルク なんだけど、クヴェーリンブルク とか クヴェリンブルク になってるほうが多い。ドイツ語をちょっと知ってて、この音節の終わりの d を ト だと思いこんでるんだろう。

Duden, Band 6: Das Aussprachewörterbuch(ドゥーデン 第6巻、発音辞典)をみると[ˈkveːdlɪnbʊrk]だから、クヴェーリンブルク が正しい。

ちなみに、ウィキペディアはちゃんと クヴェーリンブルク だ。

もうひとつは、Nördlingen。これは ネルリンゲン なんだけど ネルリンゲン になってるのがすごくに多い。

Duden, Band 6: Das Aussprachewörterbuch をみると[ˈnœrdlɪŋən]だから、ネルリンゲン だ。

ネルリンゲン で検索してみると、たとえば Google だと「次の検索結果を表示しています: ネルトリンゲン」っていうふうに勝手にまちがってるほうに誘導される。「元の検索キーワード: ネルドリンゲン」のほうをクリックして ネルリンゲン にしてみても、「もしかして: ネルトリンゲン」っていう余計なコメントがついてくる。

さらに、ウィキペディアもまちがってるほうの ネルリンゲン だ。ネットの用例で ネルリンゲン のほうが圧倒的に多いからこういうことになっちゃうのかな。事実は多数決で決めるもんじゃないだろうに。

ちなみに、検索結果の数字はどんどんかわってくけど、あるときの Google の検索結果だと、ネルリンゲン は約 99,000 件なのに対して、ネルリンゲン は約 445 件(約?)だった。

2019.03.21 kakikomi

|

« シュトレンのハッシュタグ | トップページ | 新元号の出典が国書っていっても… »